16世紀 ルネサンス リング
- 2012年07月17日
- いにしえの指輪達
- ルネサンス ルネサンスリング ルネサンスジュエリー 16世紀 指輪 リング
16世紀ルネサンスの絵画、画家ラファエロやベロネーゼの描く貴婦人の肖像画にはギャラリーでご紹介しているこの16世紀ルネサンスリングと良く似たリングが描かれています。美しい絵画を資料として掲載しましたので是非ご覧下さい。
16世紀ルネサンスの絵画、画家ラファエロやベロネーゼの描く貴婦人の肖像画にはギャラリーでご紹介しているこの16世紀ルネサンスリングと良く似たリングが描かれています。美しい絵画を資料として掲載しましたので是非ご覧下さい。
この素晴らしいエメラルドの指輪は今から約400年前に沈没したスペインのNuestra Señora de Atocha号からみつかったもので、約50万ドルの価値があると言われています。数百年に渡り海底の底で眠っていた莫大な財宝を発見したのはトレジャーハンターのメル・フィッシャー氏。ギャラリーでは同年代に製作されたスペインのエメラルドリングをご紹介しています。(★こちらのお品は売却済です、お買い上げありがとうございました★)
現在ギャラリーにて扱っている素晴らしいジュエリーをご紹介致します。この作品はフランスの貴族の歴史を鏡のように表している作品なのです。まず、ブローチ中央の楕円のエナメルの装飾に注目して下さい、これは貴族の紋章です。
この青と黄色の紋章、こちらは11世紀から続く de Sainte-Marie d’Agneaux 侯爵家の紋章です。紋章は紋章学と呼ばれる分野があるほど沢山の複雑な紋章があり、このようなシンプルなデザインの紋章は、この貴族が紋章という習慣が出来始めた頃からある大変古い家柄であることを示しています。
そして、こちらは de carbonnel de canisy 侯爵家の紋章。
そして、この二つの紋章が同時に並べられた装飾は、古より続く大貴族の両家の結婚の記念の為に準備された大変貴重なジュエリーだと言う事を表しています。また、貴族の紋章は結婚した場合は両家の紋章が混ざる事はありませんが、領地が重なって分配をした時は紋章が混ざり新しい一つの新しい紋章が生まれていました。
そして、この作品には FIDELIS FORTISQUE SIMUL という文字が刻まれています。
これはラテン語で記されたSainte-Marie d’Agneaux 家の座右の銘。意味は 「汝 誠実で勇敢であれ」 です。貴族の紋章の下部分にはモットーと呼ばれる言葉が記されており、その家の大切な家訓を示しているのです。モットーも調べると沢山の意味があるので、またブログでご紹介したいと思っています。
そして、このクラウンは公爵家という事を表します。角の数が爵位を表します。
そして、こちらは今回ご紹介した作品と同じタイプのジュエリーです。でも、紋章部分の下に何かぶら下がっていますね、このジュエリーはシャトレーンと呼ばれるジュエリー、今回ご紹介したジュエリーも本来はこのような姿だったのです。
このシャトレーンはフランスのジュエラー、Froment Meuriceによって、Christian de Villeneuve-Esclapon侯爵とナポレオンの姪のJeanne Bonaparteの結婚時に作成されました。
現在はナポレオンの妻ジョゼフィーヌの城、マルメゾン城美術館に所蔵されています。上部にクラウン、中央に両家の紋章が配置されています。
そしてシャトレーンは貴族の女性にとってとても重要なジュエリーでした。シャトレーンに、鍵、時計、裁縫道具などをつけベルトから下げる事で、自分が館の女主人である事を示していたのです。
こちらは誇り高い女主人の美しいシャトレーン達です。
パリのアンティークディーラー 仙波亜希子 Akiko semba せんばあきこ
アンティークギャラリーソレイユ http://www.antique-gallery-soleil.com/
お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話 080-3364-3978(日本からでもつながります)
仏電話番号 0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら
Soleil members の皆様、おはようございます。
アンティークギャラリーソレイユの仙波亜希子です。
いつもサイトをご覧頂きましてどうもありがとうございます。
先日の東京展示会へ、期間中にお越し下さった方々、誠にありがとうございました(^^)
なかなか日本で作品をご紹介することが出来ないので、皆様にお会い出来たことがとても幸せでした。
今回ご予約をお取りすることが出来なかった方々、またの機会にお会い出来ることを楽しみにしております。
展示会を終えてパリに戻ってから、休暇でドーヴィルへ行ってきました。
ドーヴィルはパリから二時間くらいで行ける海です。ドーヴィルは海の他にはカジノやブランドショップ、別荘などがある高級リゾート地なので、あまり興味がわかなくて行ったことはありませんでしたが、細かなアンティークを集中して見ていると大きな自然が恋しくなってくるので、とにかく大きな海が今すぐ見たい!ということで電車に揺られて行ってきました。
宿泊したこの写真のホテルはお値段の割にはお部屋が狭くて(泣)到着してすぐにドーヴィル代(笑)に驚きましたが、気を取り直して、町散策をしてきました。
まち全体は可愛いんです、ブランドショップが沢山あって、ルイヴィトンもこの可愛らしさ、キュートです。
ここは小さなエルメス、こんな感じでどこも可愛さに溢れています。町に見所が沢山あるわけではないので、一日で観光できる広さでした。
本来の目的の海です、この海の為にパリからやってきたんです、海に沈む綺麗な夕日をゆっくり見る事ができました、、、あ〜、やっぱり大きな自然はいいですね〜、、、幸い本格的なバカンス直前ということで人もまばらで、浜辺も広くて気持ちよかったです、でも、途中で雨が降ってきてしまって、生暖かい雨に打たれながら濡れネズミになってしまいました(笑)まあ、それもまた良い思い出なのですが(^^)
せっかくですからカジノも見に行きたかったのですが、雨で濡れネズミですから、やめておきました(^^)
パリから近くて日帰りも出来る海ですから、今度は本でも持ってふらっと行きたいなと思います。
ではでは、今日ご紹介する作品はこちらです!
このブローチは、パリでアンティークを探している時に、カラフルで目を惹く独特の雰囲気の素晴しい作品が遠くに飾られていることに気がつき、「もしかしてファリーズ?!」と思いながら、歩いて近づき手に取って、ファリーズだと確信に至った作品です。
華やかで類い稀な圧倒するような重厚なエナメル、ずっしりとした素晴しい重み、際立つ独特のデザインと優れた作りが一際目を惹き、サインが無くてもフランスのジュエラー、ファリーズによって制作された特別な作品であることが分かります。
リュシアン・ファリーズ
ファリーズはアレクシス・ファリーズ、リュシアン・ファリーズ、アンドレ・ファリーズの3代に渡って、1838年から1936年まで続いたメゾンです。万国博覧会でのグランプリ受賞や王室宝飾品の制作、ルネサンス様式などのジュエリー、今回ご紹介するような素晴しいエナメルを駆使したジュエリーで成功しました。
アレクシス・ファリーズ作
そして、私たち日本人にとって興味深いのは、浮世絵に影響をうけたエナメル作品も手がけていることです。アレクシス・ファリーズは日本の浮世絵を多く所有しており、日本の様式のエナメル作品をエナメル作家のアントワーヌ・タールと共に制作をしています。
今回ご紹介するブローチは優れたエナメル作品を多く制作したファリーズならではの、素晴しいエナメル作品なのです。
まず、その美しさを是非動画でご覧下さい、こちらからご覧頂けます。
この多彩で複雑なエナメルの素晴しさ、作品自体が宝石のような華やかなデザインに目を見張るばかりの作品です。
とにかく圧倒的な美のオーラに溢れています。
どこを見てもバランスの取れたデザインで、密度のある美しさに全く隙がありません。試しに、細かなデザインの一部、例えばグリーンエナメルの中央の四角い赤のエナメル装飾を手で隠して、もしこの装飾がなかったら?と想像してみると、この赤の装飾は絶対にあった方がよいことに気がつくのです。とにかく細かな部分まで完成されたデザインなのです。
きっちりと細かく施されたエナメル、多色のエナメルを駆使する高度な技術を感じます。
そして、このサファイヤの美しさ、覗き込むと、すみれ色の輝きが奥へずっと続いているかのようです。周囲にセットされた3つの小さなダイヤモンドの白い輝きも大変良いアクセントになっています。それに、三角にカットしてあるサファイヤの斬新な使い方がまた素晴しいです!例えば、このカットが四角だとまとまりが悪くなりますし、丸型だとデザインの面白みが半減しますから、ここは絶対に三角にカットするべきなのです。色からおそらくセイロンサファイヤだと思われます、このデザインの素晴しさは、石自体の美しさがあってこそなのは言うまでもありません。
ブローチの下には淡く同時に深い色の美しいドロップ型のサファイヤが垂れ下がるようになっています。
ゆっくりを咲く花を思わせる赤いエナメルとの組み合わせもとても素敵です。
この作品はエナメルが素晴しいだけではありません。作品全体に感じられる内側から盛り上がるような、ふっくらとした厚みからも作りの良さが感じられます。
この裏面の作りの堅牢さ、丁寧な仕上げの美しさをご覧下さい、ジュエリーとは、このように作るもの、というような仕上がりです。
ピン部分の作りもたいへん丁寧でしっかりしています。
それでは、ファリーズの本に掲載されている類似の作品を数点ご紹介致します。サインドピースでもサインがない場合は沢山ありますから、類似の作品との比較がとても重要になってきます。
今回ご紹介しているファリーズ作品と全体の雰囲気や細かなディティール等がとても良く似ています。是非、類似点を感じ取ってみてくださいね!
エナメルを用いたジュエリーで、ここまでの完成度の作品はそうそう見かけるものではありません。遠くから見ても、この作品が特別な作品であることがわかる程の美の力を放っているのです。
ファリーズ作品は、ピアスや、ペンダントの繊細で美しい小さな作品を見つけることができて買い付けてきました、今回の作品は、今までご紹介してきたタイプとはまた違って、ずっしりとした重みがあり、堅牢な作りのファリーズの大作です。
どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
Falize ファリーズ エナメル サファイヤ ブローチ
フランス 1880年頃
エナメル サファイヤ ダイヤモンド 18K
大きさ 5,6cm×3,5cm 25,6g
価格はお気軽にお問い合わせ下さい。
仙波亜希子 Akiko semba
お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話 080-3364-3978
仏電話番号 0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら
Soleil members の皆様、おはようございます。
アンティークギャラリーソレイユの仙波亜希子です。 いつもサイトをご覧頂きましてどうもありがとうございます。
ちょっと気分を変えて、こちらのブログでメールマガジンを配信してみました。
日本はとっても暑いようですが、パリも先週くらいから気温が急にあがってきました〜、いよいよ夏へむけて準備開始という感じですね!
朝から晩まで細かいアンティークを見たり、PCとにらめっこしたり、写真や動画を撮影したりしていると目が本当に疲れるので、目を休めに週1くらいで出勤前にパリ郊外の森へ行くのですが、朝早く出かけないと森の散歩も暑くて帽子が必要なことに気がつきました。
この森で小さな生き物や季節によって咲く花をチェックするのが大好きなのですが、先日は可愛いオタマジャクシが沢山見られたのでとても幸せな気持ちになりました。昔のジュエラー達も気分転換に、この森を訪れたのかな、、なんて思ってみたり、しています。
森の写真を掲載したくて、写真整理をしたところ、上の写真が出て来たので掲載します。この写真は以前ブログでもご紹介したかもしれないですね、去年の秋くらいの写真だと思うので、季節感が出なくてすみませんが、なかなか神秘的なカップルで森に広がる霧と相まって、とても素敵な写真で気に入っている一枚です。
ではでは、今日ご紹介する作品は、こちらです!
このエナメルのペンダントは、19世紀を代表するジュエラー、Giuliano一族(ジュリアーノ)の、カルロ・ジョセフ・ジュリアーノとアーサー・アルフォンス・ジュリアーノによって作られたもの。モチーフである竪琴は芸術の神アポロンのアトリビュートでもあり、楽器の中でも華麗さが際立つ存在です。 動画はこちらからご覧頂けます。
このペンダントのデザインは、森の中でアポロン神がダフネーを思って鳴らす竪琴のようにロマンティックですが、このような甘美で特別なデザインはジュリアーノ作品の中では例外的でとても珍しいので、おそらく、上流階級の男性が恋人へ、もしくは意中の女性へ贈るために特別に頼んでデザインした作品ではないかと思います。 この作品を買い付けた時に、作品は箱に入っていたので箱を開けた瞬間の、なんて愛らしいの!という感動を味わうことが出来ましたが、贈られた女性もきっとそんな感動を味わったのかもしれませんね、アポロン神は神々の中でも際立った美男でしたが、なかなか思う女性へ気持ちが上手く伝わらなかったこともあり、竪琴という特別なデザインに、そんなもどかしい気持ちも込められているのかも?なんて、いろいろな想像をかき立てられる作品です。ではでは全体像をご覧下さい。
竪琴の形にそって草花が成長していくような、美しいエナメルがなめらかに施されています。
エナメル拡大、葉の細かな模様も表現されています。爽やかな白い花が全体を引き締めるアクセントになっていて、フランボワーズ色の可愛いらしいカボッション型のガーネットもセットされています。
ペンダントの上部のバチカンにも綺麗な葉のエナメルが施されています。
ゆらゆらと揺れる大きなカボッションのガーネットがセットされています。揺れた時には
とても愛らしい雰囲気に、、、。
花びらをモチーフにした赤と白のエナメル。
それほど厚みはない作品ですが、横から見た時の竪琴の線などがとても美しいです。
裏面。
カルロ・ジュリアーノの二人の息子、カルロ・ジョセフとアーサー・アルフォンスのサイン入り。
オリジナルではありませんが、この作品にぴったりのチェーンをつけました。
とても美しいクラスプです。
19世紀を代表するジュエラーの一人である、カルロ・ジュリアーノは、イタリア出身の金細工職人で、妻と息子とともに、イギリスへ移住し作品を作ります。特に得意としていた作風はルネサンス様式、または17世紀のフランスの作品に影響をうけた白黒のエナメルとダイヤモンドの組み合わせによる飽きのこない作品、そして、当時の考古学的発見に着想を得たアケオロジカルスタイル等に優れた作品が見られます。 カルロ・ジュリアーノの死後は、息子のカルロ・ジョセフとアーサー・アルフォンスの二人が事業を受け継ぎますが、カルロの創造性を受け継いだのはアーサーのみで、アーサーの死後はジュエラー、ジュリアーノの歴史は終わります。。。 他のジュリアーノ作品もあわせてご紹介致します。
この資料は、2006年のクリスティーズの作品、 上の素晴しい宝石の首飾りは今回ご紹介した竪琴のペンダントと同じくカルロ・ジョセフとアーサー・アルフォンスの作品です。表示価格は$75000〜$100000ですが、この価格はオークションの開始価格であることから、実際は表示価格よりもずっとずっと高額であること、そして今から約8年前のオークションですから、もちろん現在の価値はもっと上がっています。 アンティークは以前にくらべて良い作品がどんどん減ってきていますし、価格も上昇していますから、手の届く価格でサインドピースに出会えることは、いつかは美しいサインドピースを購入したい!という夢を持っていらっしゃる方にとっては、とても幸運な事なのです。サインドピースはこれからも入手しにくくなること、同時に価格が上昇し続けることは確実です。そして、オークションなどで価格がかなり高額になることが予想されるサインドピースを見つけることは簡単ですが、実際に購入して入手する夢を叶えることは不可能に近いのが現実です。 いかに、良い作品を価格が上がりきる前に手に入れられるか、これはとても大切なことなのです。そしてサインドピースが欲しくても、サインドピースの全てがデザインが良いとは限りません、驚くほど面白みのないデザインの作品もありますから、それほど美しくない作品をサインドピースであるというだけで、高額な金額で購入するのはあまりにもお金がもったいないですし、せっかくのサインドピースですから、是非ジュエラーの創造性が感じられる作品を選んで下さい。 サインドピースが欲しい!と思われている方は、サインドピースで、デザインが美しく、価格が適正であること、この条件を備えた作品と幸運にも出会えた場合には、少し大袈裟かもしれませんが、サインドピースを入手出来るラストチャンス!くらいに思って思い切られることをお勧め致します。 美しいアンティークを入手するには、焦らないこと、そして、心を揺さぶる作品と出会った時には、迷わないこと、これがとても大切です。 ジュリアーノ エナメル ペンダント 1895年〜1914年 カルロ・ジョセフ&アーサー・アルフォンス作 ダイヤモンド ガーネット エナメル 18k 6,9cm×3,3cm 11,1g 価格はお問い合わせ下さい。 仙波亜希子 アンティークギャラリーソレイユ http://www.antique-gallery-soleil.com/ お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com 携帯電話 080-3364-3978 仏電話番号 0033(0)9 53 53 51 47 skype アドレス antiquegallerysoleil メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら