あまり綺麗な写真じゃなくてすみません!
ここはパリの一等地サントノレ通りにあるアンティークギャラリーの地下室です、ワーキングスペースを拡大するため、地下室を改装することになりいろいろ準備をしています。
改装と言ってもアンティークの膨大な資料、本、写真、道具、機材やら何やら沢山あるのでなかなかに大変な作業で、同時に世界中からお客様や品物を売りにくるアンティークディーラー、コレクターもいらっしゃいますし、買い付けにサイト更新に掃除にとお風呂に入る暇もないくらい忙しいです!
私にとって多くを学んだ思い出が沢山あるこの場所もすっきり綺麗にリニューアルされるので作業の合間に写真を撮りました。
このトルソーは18世紀のマリーアントワネットが生きていた時代の貴重なドレス!などを着せて飾る時に使っています。
奥にある暗い道は、なんと秘密の地下道でルーブル美術館の地下へと繋がっているんです!
初めて見た時は好奇心で試しに奥へと進んでみましたが、あまりにも真っ暗で怖かったので途中で引き返してきてしまったので、どれぐらい長い地下道なのか今でもわかりません。。。ここは普段は鍵がかけられています。ちなみにこの地下道には「 まっくろくろすけ」 がいたので、引き返してきた時は顔も洋服もススで真っ黒でした。(笑)
これはインタリオやカメオ、古代のジュエリーを判定する時に補助的に使う顕微鏡。
顕微鏡でインタリオを除くと真贋を含めて本当にいろいろな事が分かってとても面白いです、フェイクがつきもののアンティークジュエリーですが、フェイクインタリオも存在していて日本へも流れてきているので、インタリオの真贋についてもフェイクアンティークジュエリーを説明するアンティークレッスンでしっかりお話したいなと思っています。
今は使っていないガラスのショーケース。ギャラリーでは絵画も扱っています、奥に飾られた女性の絵画は…
掃除などをしてお客様に見せるために準備中しているところです、柔らかい雰囲気の優しい女性が描かれています。
これから絵画などもサイトで少しづつご紹介させて頂きたいと思っています。
Parisのアンティークディーラー Akiko Semba
携帯電話 080-3364-3978(年中無休)
仏電話番号 0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス antiquegallerysoleil
18世紀のローズカットダイヤモンドリングの真贋についてお話しします。
とても人気のあるアンティークローズカットダイヤモンドですが、ローズカットの全てがアンティークとは限りません。
少しショックをお受けになってしまうかもしれませんが、アンティークスタイルのフェイクジュエリーを作る工房があり、大変完成度が高く作られたジュエリーが本物のアンティークジュエリーとして売られている事があります。
フェイクアンティークジュエリーに関しては、売り手も分かっていなかったり、知っててフェイクを本物として売っていることもあるので、フェイクアンティークジュエリーというものが存在するんだな、と心に留めて置いてください。
ローズカットダイヤモンドは、表面がファセットカットで、裏面はフラットなダイヤモンドの事をいいます。
ローズカットは特に1650年〜1850年に使われていました。
1650年以前は、ジュエリーにはテーブルカットや原石のままのダイヤモンドが使われています、そして1850年以前はブリリアンカットが登場します。
ローズカット、というだけで古いダイヤモンドである、というイメージが強いかもしれませんが事実はそうではありません。
ローズカットダイヤモンドというだけでは、その品物がアンティークであるという事にはなりません。
何故かというと、現代でもローズカットダイヤモンドは簡単に作ることが出来るからです、特にトルコ、ポルトガル、インドで製作されています。
なかでもインド産のローズカットダイヤモンドは、品質が低くてブリリアンカットに適さないダイヤモンドを選んで作られており、そのダイヤモンド達はフェイクアンティークジュエリーの工房へと運ばれますので、ローズカットダイヤモンドというだけでアンティークのリングだと安心してはいけません。
こちらは18世紀のローズカットダイヤモンドリング、ダイヤ、ベゼル、リング全てオリジナルです。
(このリングは売却済みです)
では、どうすれば指輪が全て古いと判断できるのでしょう
指輪が本物であると判断するのに大切な事の一つにダイヤモンドの産地があげられます、殆どの古いダイヤモンドの産地はブラジルであり、アフリカではありません。ですが実際はダイヤモンドの産地がどこであるかをすぐに知る事は難しいので、一番良い方法は金細工を確認することです、金細工の技法がその年代にあった古い技術で作られているかどうかを知る事が大切です。
わかりやすいように参考画像を掲載しましたのでご確認下さい。
18世紀のリングを良く見てみましょう。アンティークを知るにはまず良く観察することからはじまります。
是非気をつけて確認してくださいね!
まずはこのルビー&ダイヤの指輪をご覧ください。
(このリングは売却済みです)
裏のセッティングの確認はとても大切です、18世紀の指輪の裏面はフラットです、よくご確認下さい。
そして、ダイヤモンドの裏はオープンセッティングではありません、全てクローズドセッティングです。
クローズドセッティングというのは、裏から見た時にダイヤモンドが見えない事です。オープンセッティングは
この年代ではあり得ない事なので気をつけて下さいね。
18世紀のリングのシャンクは写真のような複雑で繊細な仕事がされていますので、この金細工をよく確認して下さい。
こちらは18世紀のローズカットダイヤモンドのリング。
(このリングは売却済みです)
シャンクにはやはり繊細で複雑な彫金が施されています。
18世紀のリングに施されている金細工は繊細さやデザインに特徴のある彫金です。
裏面の作りも良く見て下さい、18世紀のリングはこのようにフラットな作りなのが特徴です。
18世紀のリングの裏からはダイヤモンドは絶対に見えません!
是非しっかりと覚えておいて下さいね。
こちらはギャラリーで扱っている18世紀のリングです(販売済)
このリングも18世紀の作品です(このリングは売約済みです)
そして石のセッティングにも注意しましょう、古いリングの土台に新しいダイヤモンドが付け替えられている場合もあります、石が付け替えられている場合は必ず跡が残ります。
また、18世紀のリングにホールマークが打たれている事はごくごく稀で、打たれているマークも大変限られたものになります。このような場合は打ち込まれているホールマークが、本当に古い指輪かフェイクアンティークジュエリーなのか?を教えてくれる場合があります。ホールマークに関してはまた他のアンティークレッスンでお話したいと思います。
18世紀のリングの真贋を見極めるのに大切な事の一部を説明いたしました、これらは経験をつまなければ実際には判断できないことなのですが、フェイクアンティークジュエリーが存在するんんだな、ということを是非心に留めておいて下さい。
仙波亜希子
現代に生きる私達に夢を見させてくれる古い指輪は、それを手に入れて身に着けている人には趣味や独創性のしるしとして、また、それを鑑賞する人には幻想や審美の対象として大切にされています。当時の指輪は強い拘束力のある感情的な関係の恒久的なシンボルとして考えられ作られていたのです。
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フランスには著名なジュエラーが多くいますが、その中の一人、ヴィエズ(WIESE)について記しておきたいと思います。
ヴィエズは 19 世紀の終わりにかけてアーケオロジカルスタイルを主張した主要人物の一 人で、金をふんだんに用いて彫刻した素晴らしい作品を複数製作しています。
ネオゴシック及びネオルネサンスのスタイルを用いたファッションは、著名な 宝 石 職 人 で あ る フ ラ ン ソ ワ ・ デ ジ レ ・ フ ロ マ ン ・ ム ー リ ス(François-Désiré Froment-Meurice・1802-1855 )がフランスで始めました。1839 年、ジュール・ヴィエズ (Jules Wièse) はフロマン ・ ム ー リスの工房の管理者になります。ヴィエズはフロマ ン・ムーリスの死後、自身の会社を設立し、ロ マン的歴史主義にも影響を受け、ジュエリ ーを制作します。 1862 年に開催されたロンドン万国博覧会では、ネオゴシック (13世紀 から 15 世紀) およびネオルネッサン ス (16 世紀) のスタイルで彫刻した多数のジュエリーを展示し、 1867 年には、パ リの万国博覧会でカンパーナの古代ギリシャや古代エトルリアの宝石の コレクションを 見 たり、その他の宝石 職 人 ユ ー ジ ー ン ・フォントネー(Eugène Fontenay) などから影響を受け、そしてアーケオロジカルスタイルを 試し始めます。1880 年以降は、ルイ・ウィーゼ (Louis Wièse) が会社の経営を引き継 いでいます。
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