アンティークレッスン No1 18世紀のローズカットダイヤモンドとリングの真贋について


18世紀のローズカットダイヤモンドリングの真贋についてお話しします。

とても人気のあるアンティークローズカットダイヤモンドですが、ローズカットの全てがアンティークとは限りません。

少しショックをお受けになってしまうかもしれませんが、アンティークスタイルのフェイクジュエリーを作る工房があり、大変完成度が高く作られたジュエリーが本物のアンティークジュエリーとして売られている事があります。

フェイクアンティークジュエリーに関しては、売り手も分かっていなかったり、知っててフェイクを本物として売っていることもあるので、フェイクアンティークジュエリーというものが存在するんだな、と心に留めて置いてください。

 

ローズカットダイヤモンドは、表面がファセットカットで、裏面はフラットなダイヤモンドの事をいいます。

ローズカットは特に1650年〜1850年に使われていました。
1650年以前は、ジュエリーにはテーブルカットや原石のままのダイヤモンドが使われています、そして1850年以前はブリリアンカットが登場します。

ローズカット、というだけで古いダイヤモンドである、というイメージが強いかもしれませんが事実はそうではありません。
ローズカットダイヤモンドというだけでは、その品物がアンティークであるという事にはなりません。
何故かというと、現代でもローズカットダイヤモンドは簡単に作ることが出来るからです、特にトルコ、ポルトガル、インドで製作されています。
なかでもインド産のローズカットダイヤモンドは、品質が低くてブリリアンカットに適さないダイヤモンドを選んで作られており、そのダイヤモンド達はフェイクアンティークジュエリーの工房へと運ばれますので、ローズカットダイヤモンドというだけでアンティークのリングだと安心してはいけません。

こちらは18世紀のローズカットダイヤモンドリング、ダイヤ、ベゼル、リング全てオリジナルです。

(このリングは売却済みです)

では、どうすれば指輪が全て古いと判断できるのでしょう

指輪が本物であると判断するのに大切な事の一つにダイヤモンドの産地があげられます、殆どの古いダイヤモンドの産地はブラジルであり、アフリカではありません。ですが実際はダイヤモンドの産地がどこであるかをすぐに知る事は難しいので、一番良い方法は金細工を確認することです、金細工の技法がその年代にあった古い技術で作られているかどうかを知る事が大切です。

 

わかりやすいように参考画像を掲載しましたのでご確認下さい。

18世紀のリングを良く見てみましょう。アンティークを知るにはまず良く観察することからはじまります。

是非気をつけて確認してくださいね!

まずはこのルビー&ダイヤの指輪をご覧ください。

(このリングは売却済みです)

裏のセッティングの確認はとても大切です、18世紀の指輪の裏面はフラットです、よくご確認下さい。

 そして、ダイヤモンドの裏はオープンセッティングではありません、全てクローズドセッティングです。

クローズドセッティングというのは、裏から見た時にダイヤモンドが見えない事です。オープンセッティングは

この年代ではあり得ない事なので気をつけて下さいね。

18世紀のリングのシャンクは写真のような複雑で繊細な仕事がされていますので、この金細工をよく確認して下さい。

こちらは18世紀のローズカットダイヤモンドのリング。

(このリングは売却済みです)

シャンクにはやはり繊細で複雑な彫金が施されています。

18世紀のリングに施されている金細工は繊細さやデザインに特徴のある彫金です。

裏面の作りも良く見て下さい、18世紀のリングはこのようにフラットな作りなのが特徴です。

18世紀のリングの裏からはダイヤモンドは絶対に見えません!

是非しっかりと覚えておいて下さいね。

こちらはギャラリーで扱っている18世紀のリングです(販売済)

 このリングも18世紀の作品です(このリングは売約済みです)

そして石のセッティングにも注意しましょう、古いリングの土台に新しいダイヤモンドが付け替えられている場合もあります、石が付け替えられている場合は必ず跡が残ります。

また、18世紀のリングにホールマークが打たれている事はごくごく稀で、打たれているマークも大変限られたものになります。このような場合は打ち込まれているホールマークが、本当に古い指輪かフェイクアンティークジュエリーなのか?を教えてくれる場合があります。ホールマークに関してはまた他のアンティークレッスンでお話したいと思います。

18世紀のリングの真贋を見極めるのに大切な事の一部を説明いたしました、これらは経験をつまなければ実際には判断できないことなのですが、フェイクアンティークジュエリーが存在するんんだな、ということを是非心に留めておいて下さい。

 

仙波亜希子

 

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