〜古代エトルリア展へ〜 


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久しぶりのブログ更新となってしまいました〜、すみません!
パリを離れてあちこち回っていたり、古代ローマフェアの準備やらなにやらの慌ただしい暑苦しさをお見せしても、、と思っているうちにブログをご無沙汰してしまいました(^^; 少し落ち着いてきたらもう少しマメに更新できるようにしたいです。。。

今日は、前々からとても楽しみにしていた古代エトルリア展に行ってきました!エトルリアは古代地中海世界でもとてもユニークな存在ですよね、エジプトやフェニキア、ギリシャ、ローマなどの国々の繋がりを作品からも感じました。
展示数はそれほど多くはなかったのですが、作品が発する目を釘付けにするパワーや、エトルリア人の素晴らしい芸術的感性、興味深い生活の様子などを丁度良いボリュームで紹介していて、とてもリラックスして楽しむ事が出来ました。

写真があまり撮影できませんしたが、美術館の展示の一部をカタログ写真と合わせて掲載しますのでご覧下さい(^-^)

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仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
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仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
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アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界


アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界

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最高品質のエトルリアのスカラベ、 480 – 450 (メトロポリタン美術館)

 エトルリア文明は謎と詩情に満ちています。エトルリア美術は古代世界において最も美しいものの一つで、この民族の起源には様々な説があります。

エトルリア文明は中央イタリアで紀元前750年ごろから発展し始めました。この絢爛なる文明の最盛期は紀元前600年と350年の間です。

ローマ人はエトルリアの征服を紀元前311年に始まった戦争の間に開始し、エトルリア人最後の都市はローマにより紀元前265年に征服されたました。この年こそエトルリア文明の最後の年です。

コーネリアンで出来たスカラベはこの歴史の流れを追います。最良の作品は紀元前4、5世紀以降のものになります。また、エトルリアのスカラベは、« archaïc »、 « free»、 « transitionnal »という名で知られる様式に分類されます。

“a globolo”様式は前4世紀末に始まる様式です。前3世紀における”a globolo”様式の作品はチャーミングでユニークな様式ですが、エトルリア末期のものになります。

エトルリアスカラベの素材は暗赤色のカーネリアンが殆どです、形も常にスカラベ型で、彫刻部分以外の品質はほぼ均質ですから、意図的に均一にしているように思われます、(例えばギリシアのカーネリアンは様々な色合いを持ち、また使用される石の種類も多いです。)

スカラベの背面の表現はギリシアのものよりも細工が丁寧で、特に盛り上がった縁の模様が美しく仕上げられています。また背面にカメオなどのレリーフが付いているものもあります。スカラベは宝石として扱われる場合が多く、精巧な金のフレームがが付くこともしばしばあります。

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サテュロスの彫られたギリシア製スカラベ、 5世紀初頭  (大英博物館)

 

I – ギリシアの影響を受けたArchaïc 様式  (6 – 5世紀)

 

堅い宝石にスカラベの彫刻を施すことは、エトルリアでは紀元前6世紀の後半に始まりました。これはギリシアのアルカイック様式の彫刻から影響を受けたもので、おそらくギリシア人芸術家の手によるものと思われます。

この様式のニュアンスからは、ギリシア世界のなかでも最も初期に出現したイオニアの彫刻家が示唆されます。題材はギリシアに従うことも多いのですが、ある種の題材が特に好まれるということもあり、ギリシアで扱われていたのと必ずしも、あるいは決して、同様に扱われるわけではありません。ギリシア神話の図像はエトルリア人にすぐ受け入れられましたが、いつでも完全に理解されているわけではなく、また少し違った物語が伝わっていることもあります。

そして、エトルリアの題材のみを純粋に反映していると思われるものは殆ど存在していないようです。

 

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Archaïc 様式、前6世紀

 

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Archaïc 様式、前6世紀末

 

II – ギリシアから派生したエトルリア様式、« Free 様式» 5-4世紀

 

前5世紀終わりにかけての様式はギリシアに近い様式ですが変化が見られます。最も優れた作品はどんなギリシア産のものにも劣らず、特に« free 様式»における英雄の肉体的特徴を捉えた解剖学的研究は非常に優れています。前4世紀に« free 様式»は最盛期を迎え、もっと自然な表現である« transitional 様式 »も始まりを告げます。

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« free » 様式で彫刻されたアスリート、 480 – 450

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 free様式で彫刻された英雄、前 450

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 «  free 様式»で彫刻された戦士、前5世紀

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 美しい題材: « free style »で彫刻されたヒュプノス、前4世紀初頭

 

III – もっと自然で、エトルリア特有の題材も目立つようになった« Transitional 様式 » 、前4世紀

 

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« transitional 様式 »で彫刻された戦士(上)とサテュロス(下)、前4世紀

 

IV – « A globolo » 様式、前4世紀末3世紀

 

前350年以降、« a globolo 様式»が始まります。これは図像を主にドリルで描き、小球の集まりで表現するものです。この様式はすぐに広まり、動物の形態の研究に伴いさらに簡略化されてゆきます。

 

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初期の« a globolo »様式、 場面は周囲がギザギザ模様で縁取られています。

まず 黒い丸で囲ったような丸形をドリルで描き、他の部分を彫ってゆきます。4世紀末

題材もまた前350年以降に変化します 、英雄や神話の場面は用いられなくなり、そのかわりに、空想上の生物 (キメラ、グリフィン、ケンタウロス、サテュロス) や、曲芸師、動物などが描かれました。 

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初期の« a globolo »様式、場面はギザギザ模様で縁取られています。前4世紀末

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 3世紀に典型的な« A globolo »様式。デザインは非常に単純であり、縁もギザギザ模様ではなく細い線だけです.3世紀    

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« a globolo »様式で彫刻された曲芸師、 3世紀 (ギャラリーにて販売)

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 « a globolo »様式で彫刻された動物、前3世紀  (クリスティーズ、200712)

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« a globolo »様式で彫刻されたケンタウロス、前3世紀 (大英博物館)

 

V – ギャラリーソレイユでご紹介しているエトルリア製スカラベ付きリング

稀少なエトルリアスカラベの中でも最も品質の高い作品をご紹介致します。スカラベが高品質だけではなく、リングも含めて全てオリジナルです、ほとんどのエトルリアスカラベはオリジナルリングが失われている為にこれは極めて珍しいことです。

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古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング« 泉のヘラクレス » « free 様式 »、前4世紀 

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古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング «古代 射手 » «transitional 様式 »、前4世紀

 

高品質で、インタリオもスカラベもすべてオリジナルの素晴らしい作品です(^-^)

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

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アンティークレッスン 古代ジュエリー 偽物と本物


アンティークレッスン 古代ジュエリー 偽物と本物

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 どちらも古代ローマ世紀の品であると言われていた作品です

一つは完全な本物でもう一つは年代のミスがあり、また一部偽物です・・・どちらが本物でしょうか?

私の最も信頼できる古代美術のパートナーは14歳のときからフランスでインタリオの収集を始めました。歴史学者(フランス国立古文書学校)であり宝石学者(宝石学研究所)でもあるパートナーは、古代彫刻と古代の指輪の専門家になって23年になりますが、インターネットの普及に伴い、偽物が簡単に確認できるようになってきていることを残念に思っています。近年では知識や証明無しに古代美術が販売されています、例えば誰でも出品可能なオークションEbayですら、古代美術のディーラーとして偽物の古代インタリオ、偽物の古代カメオが販売されていたりするからです。

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 AD100年のローマインタリオと言われています。本物か偽物、どちらでしょうか?

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これらは古代ローマのリングと言われています。本物か偽物、どちらでしょうか?

古代ジュエリーに純粋な夢を求める愛好家が、安くはないお金を支払い、« 秘蔵の品 »と呼ばれる作品を購入しますが、この« 秘蔵の品 »が価値の無いつまらない偽物ではないということを確認する方法が、愛好家には無いのが現実です。この事をとても悲しく思っています。。。

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例えば、この近代の偽物の指輪は3世紀の年代の品と言われ、

ebayで1万1,000ドルで販売されていました。

この作品を購入した人が、いつか古代のジュエリーを購入しようと貯めたお金で、

この作品を購入していたとしたらどれだけの悲しさでしょう。


もう一つのよくある問題は、古代ジュエリーの記述が誤っていることです。品は本物であるけれども、知識不足から記述、石の名称、金の品質、あるいはもっとひどくて品物の年代が誤っていることがあります。。。

細工の年代判定は比較的難しくはありません。ただ、型がとてもシンプルなら模倣するのもとても容易だということでもあります。

Art Nouveau Goddess of Fertility and Crops Ring by Wiese

では、例えば、この指輪はどの年代でしょうか?

インタリオの年代は古代ローマ2世紀ですから、古代ローマ2世紀でしょうか?

実はこの指輪は1890年に、古代のインタリオを使ってジュエラールイ・ヴィエズによって制作されたものです!

ただ、これはルイヴィエズの古代ジュエリーへの憧れが作品として昇華したものですから、面白みがあり、ルイヴィエズ作だと言う事が分かっていて購入するのなら、何の問題もありません。

 

インタリオの年代判定はゴールドの指輪の年代判定よりもより困難です。インタリオの年代判定に関する間違いは非常に多く見られます。

例えば、、、インタリオが古代ローマ時代の品はギリシアもしくはヘレニズムの作品ということになっていたり・・・古代ローマ3世紀の品は古代ローマ1世紀になり、・・・ササン朝の品は古代ローマ後期と言われ・・・ルネサンス朝、19世紀もしくは近代の品ですら古代ローマと言われています・・・!

石の名称に関する誤りもあります、レッドジャスパーはコーネリアンとなり・・・レッドコーネリアンはガーネットになり・・・グリーンアゲートはエメラルドになるのです・・・!

古代ジュエリーや古代彫刻を知る、購入するには本物の専門家を見つける事が実に重要です。かなり多くの偽物が出回っていてそれらを見分ける方法が、専門家以外には分からないからです。

こうしてアンティークレッスンでいろいろな事をお話する目的は、古代ジュエリーを愛する人たちの夢を守り、本物の価値ある品をきちんと購入して頂くことです!

このレッスンで、本物の専門家が持つ知識の一部と、どのように鑑定し偽物を見つけ出しているかを少しご説明します。これらの方法の一部は、アンティークマーケットの日常の作品対象としてはあまりにも高額で、博物館研究所で使用されているものです。しかし古代の品の信憑性を鑑定することが本物の専門家以外には困難であるということを感じて頂けると思います。また、これらをお話してもフェイクメーカーが対策をすることは不可能ですから問題はありません。

専門家で無ければ判定はとても難しく、ほぼ不可能と言えます。

 

I.古代の技法と宝石の起源をたどる研究を通して鑑定・・・

 

ルーペと双眼顕微鏡の検査・・

 

第一段階は、10から30倍の無色のルーペ、Bresser Researcher ICD (x 40 x 80)の単体物双眼顕微鏡を使用して各宝石や対象品を念入りに観察します。この観察により以下のことが分かります:

-  ジュエリーの制作に使用された過程や手順の識別(キャスト、ハンマーでたたく、装飾[彫刻、彫版・・・]、構造要素[各部分の異なる部品])

- 構造要素および装飾要素の方法: 半田付け、曲げ加工、リベット打ち

- 装飾要素、材料の追加なし:レポゼ、打出し模様、彫刻、刻印、オープンワーク・・・また材料の追加有り:ワイヤー、粒子、貴石、溶融ガラス、エナメル、珊瑚、真珠など。

 

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 表面の分析:半田付け、制作に使用した工具の形跡、カット、レタッチ、装飾の取り付けや仕上げなど・・・

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痕跡学  目に見えるものを辿って分析することから制作に使用された工具を識別する科学的専門分野。金細工師、宝石細工職人や彫刻師が装飾、カッティングや部品の成型に使用した工具の形、大きさや種類を定義することに努めています。これにより工具が仮定する時代に適応しない工具の場合、偽物であることを見つけることが出来ます。古代に行われた修理、近代(特に19世紀、20世紀)の修復、手入れ、石の交換の発見および識別をします。

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模倣作品や鍛造の識別。摩損、青錆(自然発生か人工的か)の兆候・・・対象品の青錆が論理的で順当に摩耗過程をたどっているかを確認する分析。この変化はフェイクメーカーには真似出来ません。

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博物館研究所における科学的研究

 

1 – SEM.

 

走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して検査します。この検査では顕微鏡写真術も一緒に使用されます。

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2 – 放射線透過写真 X線.

対象品の内部構造のためにX線検査も行われます。この方法により内部の状態や想像もしなかったような秘密がわかるだけでなく、上手く隠された修復部分も見えます。

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3 -蛍光X

 

金の組成成分の分析です。ジュエリー制作に使用されている金の原産地と起源は、付着物の特性を示した痕跡の分析に基づいて判定しています。

金に関連する一部の要素(鉛やオスミウムなど)は、金が発見された場所の特性から同位体比です。

蛍光X線は、標本の化学成分の判定や、亜鉛やコバルトなどの近代物質の存在を確かめるのに使用されます。(シンクロトロン放射光蛍光X線分析法:SR- XRF)

金の組成は完璧には立証されていないことを覚えておいて下さい。近代の模造品の制作者は古代ゴールド(たとえば、摩耗した古代硬貨から収集した金)を使って偽物の宝石を作ることが出来ます・・・

 

II . 文書および肖像の分析:

 

古代ジュエリーを実際に手に取り細部を確認する事に加えて、以下のような古代ジュエリーの資料や肖像を平行して確認していく事もとても大切です。

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また、フランスの公的なコレクション(ルーブル美術館、ガロ・ロマン文化博物館、リヨン美術館 フルヴィエール、サン・ジェルマン・アン・レーの国立考古学博物館 、パリの 国立図書館メダル陳列室、ニームの考古学博物館、ディジョンの考古学博物館、ナントの博物館など)、外国では(エジプト考古学博物館、アレクサンドリア国立博物館、大英博物館、アシュモリアン博物館、オックスフォード、メトロポリタン美術館、ニューヨークのブルックリン美術館、ライン州立博物館ボン)などで、作品を見る事も大切です。

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フランスのブザンソンで発見された秘蔵の品、1世紀

または、現存する様々な芸術品、古代資源文学、彫刻、粘土、絵画、硬貨などから学ぶ事も大切です。

 

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 本物の古代ローマの指輪、3世紀

類型的で様式的な分析も大切になります。例えば、これは古代ローマ3世紀の指輪です。何故これが古代ローマ3世紀の作品であると言えるのかは、この独特の形をした指輪が古代ローマ3世紀のコイン等と共に出土をした考古学的背景から、この作品が古代ローマ3世紀といえるのです。これは作品の年代判定を行うのにおいて必ず必要な段階の一つです。

手に取り、作品の技法、様式が、肖像と一致しているかを平行して確かめる事も不可欠です。

 

これらの全ては、いつの日も、古代ジュエリーへの純粋な夢を守り、壊さないようにする事が目的です。

 

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 本物の素晴らしい宝物: サン・ドニのメロヴィング朝のリング!夢がつまっています(^-^)(M.A .N

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

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アンティークレッスン 古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事


古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事

 

数千年もの時を超えて目の前に現れてくれる古代ローマの金の指輪は、現代のジュエリーにはない壮大なロマンが宿った指輪です。金という素材は数千年を経ても腐食などなく、そのままの姿で残るため、古代ローマの空気がそのままタイムスリップして目の前に現れたように感じる事ができます。

これほどに興味深く魅力的な古代ローマ時代の金の指輪ですが、正しい情報を知る事が難しいのが現実です。興味があって購入をしたくても、実際には何が良い指輪なのかわからない方が多いと思います。古代のジュエリーはとても難しい分野ですからプロフェッショナルはほんの一握りですし、良く分からない分野だからこそ贋作や価値のない作品が高く販売されていることがあるので、購入する時には慎重になって頂きたいと思います。

古代ローマの本物のジュエリーを購入する前に、いくつかの基本的なことを知っておく必要がありますから、現在のアートマーケットの動向も踏まえて出来るだけ分かりやすく説明致します。

まず最初に知っておくべきなのは、古代ローマの金の指輪は中世の金の指輪に比べて希少性は少ないということです。

例えば、世界で最も重要な個人蔵の指輪コレクション(コッホコレクション)には240個の古代ローマの金の指輪(紀元前1世紀から5世紀まで)と20個の中世の金の指輪(11世紀から15世紀まで)があります。なぜなら古代ローマ時代は中世よりも金は一般的によく使用されていたからです。また、古代ローマ時代の指輪は、多くの場合、持ち主と共に墓に埋葬され、2千年後に墓が発見されたときに、指輪もそのままの姿で発見されます。

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古代ローマの金の指輪の価値を理解するための主な基準は以下のとおりです。

 

1 – 本物か偽物か?

 

まず、これは一番最初に重要なことです!アートマーケットには沢山の偽物が出回っていますから気をつけて下さい!

私はパリを拠点に活動をしていますから、フランスの古代美術専門家との交流も頻繁に出来ますし、古代ジュエリーも実際に実物を手に取りながら、学ぶ事が出来ます。古代のジュエリーも他のジュエリーと同様に本や写真だけの情報では理解することはできません、必ず手に取る必要がありますから古代ジュエリーを理解する為にはヨーロッパで学ぶ事が必要です。

そして真贋に関しては作品をいろいろな視点から確認する必要があります。これは例えば、金の表面が摩耗しているから古代の作品である、というようなシンプルな事ではありません。本物の古代ジュエリーには贋作にはない特徴がありますが、それをお話してしまうと、フェイクメーカーがより精度の高い作品を作れるようになってしまう為に、インターネット上ではお話することはできませんが、それ以外で基本的な事をアンティークレッスンでお話させて頂こうと思っています、古代ローマフェアでは数回のレッスンを予定しています。

古代ジュエリーを理解するのに大切な事は、学んだ年月の長さではなく、正確な知識を集中して深く学んだかどうかです。古代の指輪、カメオ、インタリオの分野で私が最も信頼出来る有名な専門家であるフランス人のパートナーは、フランスで美術館、博物館の学芸員になる為の最も有名なグランゼコール、フランス国立古文書学校で研究を行い、23年のキャリアの中で何千ものカメオ、インタリオ、古代の指輪を見てきました。そしてパートナーが言うには、インターネットの普及に伴い以前よりも偽物が市場で簡単に確認できるようになってきているとのことです。

 

もうひとつの問題は部分的な偽物に関してです。

A – 石(通常はインタリオ)は本物だけれど、リングがモダンのもの。

B – リングは本物だけれど、外れてしまった石の代わりにモダンの石を留めている。

C-  石とリングのどちらも本物だけれど、別々につなぎ合わされ、最初に作られた時と同じ状態を保っていないもの。

 

2 – 時代

 

現代に残る古代ローマの素晴らしい指輪の多くは1世紀から2世紀(ローマ帝国時代初期にローマ帝国は金が豊富にある多くの国を征服し、それらの金はローマに送られた為)そして3世紀(多くの金のジュエリーが民族移動の混乱から守るために隠された為)です。

それ以上に古い指輪(紀元前2世から紀元前1世紀、共和政ローマ様式、ヘレニズム様式、エトルリア様式)それよりも新しいもの(4世紀から5世紀、後期ローマ様式、初期キリスト教、初期ビザンチン様式)はさらに希少になります。

 

3 – 状態

 

金はとても丈夫な金属ですが、潰れたり壊れたりすることもあります。その場合、残念ですが価値は著しく低くなります。ほとんどの場合は、金の台はそのまま残っていて、石(宝石やインタリオ)が無くなっているか、ヒビが入ったり、欠けたりして壊れています。金の状態が悪いのはもちろん、宝石やインタリオの状態が割れたり、大きくヒビが入っている場合も価値は著しく低くなります。古代ジュエリーだからコンディションが悪いのが当たり前なのではなく、リングもインタリオも出来るだけコンディションの良い作品を選ぶようにしましょう。

 

4 – 着用できるか否か?

 

基本的に着用できるサイズの物が高価です。小さすぎる指輪や大きすぎる指輪、中が空洞なもの、壊れやすいものは着用しにくいです、そのため、特別に美しいモデルである場合を除いて、これらの指輪の価値は低くなってしまいます。特別なモデルの指輪である場合は、着用するためではなく、コレクターの向けのものとなりますから、価値は下がりません!

 

5 – 質

 

指輪が本物である場合、価値を出すためには質が重要な基準になります。

まず、形がシンプルで、装飾がなく、特別な作品ではなく、重さが軽く、輪の中が空洞で、(エレクトラムのように)金の質が低く、石の質が悪く、インタリオの質が悪い、もしくは大きくヒビ割れていたり欠けている指輪などに非常に高い価値がつくことはありません。

言葉で説明してもなかなか分からないと思いますから、何に価値があって何に価値がないかを写真を掲載しながら説明致します。では低品質から高品質の順に進めていきます。

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古代ローマ時代、2世紀、シンプルな形、程よい重さ、悪いコンディション、大きくヒビ割れて壊れたインタリオ。金の状態も悪いですし、インタリオにもはっきりと目立つヒビが入り、価値は殆どありません。

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古代ローマ、1世紀から2世紀、 シンプルで面白みに欠けるデザイン、  軽量でサイズは小さい。

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古代ローマ、1世紀、 シンプルで面白みに欠けるデザイン、 軽量、 それほど良く無いコンディション。

 

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古代ローマ、2世紀、シンプルな形、インタリオのデザインの主題は普通でありふれたもの« junctio dextrarum»で面白みに欠けます、コンディションもあまりよくありません。

 

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古代ローマ、2世紀後半、 シンプルな形、 中品質なインタリオです。

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ガロ·ロマン、3世紀、シャンクが面白いデザインです、重量は軽く、インタリオはガラスでできています(フランスの個人蔵、ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、 3世紀、リングに面白い装飾があります、素晴らしい色と面白い題材のコーネリアン・インタリオ、しかしリングは空洞で状態は良くありません(ギャラリーにて販売)

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 古代ローマ、 2世紀、シンプルな形、軽量、 ですが、インタリオ題材は興味深いものです (ギャラリーにて販売)

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古代ローマ後期、 2世紀、シンプルな形、軽量、小さいサイズ、カメオにわずかにダメージがあります、しかし古代のカメオはインタリオよりも壊れやすく、残りにくい為に30倍程の希少性があります(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、1世紀、面白い形 (ギリシャ様式) 、 ベゼルの彫りとモチーフが良く、丁度よい重さで、着用可能な大きさ。ですが、このとても着用しやすいモデルにはたくさんの偽物があるので、特に注意が必要です。

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古代ローマ、3世紀、 全体にとても面白い形です、 丁度よい重さ、着用できる指輪、ベゼルには刻印があります。

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古代ローマ、1世紀、シンプルな形、 軽量、 インタリオは面白いデザインです、 着用可能な指輪。

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古代ローマ後期、2世紀、面白い形、丁度よい重さ、インタリオのモチーフは面白く、着用できる指輪。

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古代ローマ、3世紀、面白い形、丁度よい重さ、インタリオの色は良いけれどモチーフは面白さに欠けます、着用できる指輪(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ初期、2世紀、シンプルな形、丁度よい重さ、インタリオは面白く、着用できる指輪(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、2世紀、シンプルな形、丁度よい重さ、着用できる指輪、インタリオのモチーフは面白いけれどごく僅かにダメージがあります(ギャラリーにて販売)

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ローマ、2世紀、面白い形、重量は重く、着用可能な指輪、インタリオの石は素晴らしく、モチーフであるテセウスは面白いです、また完璧な状態を保っています。

このモデルにはたくさんの偽物が存在するので注意が必要です。ほとんどの場合はインタリオは古代ローマ時代のもので、リングが近代(19世紀から20世紀)のものが使われています、またフェイクメーカーは22kを使用することが殆どです。

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ガロ·ロマン、3世紀、シャンクは面白い形の« pelte  » がモチーフです。ちょうどよい重さ、着用可能な指輪、インタリオのモチーフのダイアナは面白くガラスでできています(ギャラリーにて販売)

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ロマノ・ブリティッシュ、4世紀、珍しい時代のもの、玉状のフィリグリーでリングの形が面白いです、しかし、重量は軽く、指輪の状態もあまり良くなく、壊れやすいですが、総じて珍しい作品ですからコレクションとしての価値があります。翠色の石プラースのインタリオは珍しいものです(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、4世紀、 珍しい時代のもの、リングがフィリグリーなどで面白い形をしています、重量は軽く、ベゼルの刻印は劣化していますがコレクションとしての価値がある指輪です(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、4世紀、 珍しい時代のもの、粒金を用いたシンプルな形ですが、コレクションとしての価値がある指輪です。ベゼルのモチーフ« fede » は面白く、装着可能な指輪。

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エトルリア・スカラベ・リング、紀元前3世紀。この時代のものは珍しく、シンプル(ベゼルに金のワイヤーフープが接合した形。この形状はエジプトからフェニキアを通りエトルリアに伝わった)な形で、重量は軽く、壊れやすい指輪。スカラベのグロボロ・スタイルは紀元前3世紀の典型的なもの(ほとんどのエトルリア・スカラベはこの時期のもの)。

エトルリア・スカラベの指輪の多くが19世紀か20世紀のフープを取り付けたものなので、注意が必要です(エトルリア文明が発見された1850よりも後に古代のスカラベをこの形状のフープに取り付けてファッションアイテムとして着用されるようになった為です)。

クリスティーズ、2006年12月7日(ロット251)

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古代ローマ、ヘレニズム期の蛇の指輪、紀元前1世紀。 この時代のものはとても珍しく、面白い形で、重量は重く、完璧な状態の指輪で装着可能です。しかし、この蛇の指輪には偽物がたくさんあるので注意が必要です。

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ローマ帝国期のエジプト、2世紀、2つのベゼルがある非常に面白い形の装着可能な指輪。古代ローマの指輪でエメラルドと真珠を見つけるのは非常に稀で素晴らしい指輪です!石はオリジナルで僅かにダメージがあります(ギャラリーにて販売)

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 古代ローマ、3世紀、ローマ様式に彫られた希少な金の指輪。プレーンなリングがベゼルの土台に装着され垂直なプレートにはロング・キトンを着た神(ローマの神?)が王座に座る姿が彫られています。垂直なベゼルが装着されたタイプの指輪は非常に希少で2世から3世紀に人気があった鍵の指輪シリーズに近いものです(フランスの個人蔵、 ギャラリーにて販売)

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ロマノ・ブリティッシュ、4世紀、珍しい時代のもので、フィリグリーとビーデットワイヤーの装飾はとても面白く、重量も重く、指輪の状態はも素晴らしく着用可能、インタリオの石とモチーフもとても面白いです。(フランスの個人蔵、ギャラリーにて販売)

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古代ローマ、 3世紀、素晴らしい形 、透かし細工、«  interrasile »がショルダー部分に施されています。  重量は重く、 指輪の状態もよく着用できます、とても興味深い石とモチーフのインタリオ(フランスの個人蔵、 ギャラリーにて販売)

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古代ローマ3世紀、非常に美しいショルダー、とても重さがあり、着用可能な作り、コンディションも大変よく、インタリオではないアイアゲートが留められた珍しい指輪です。(ギャラリーにて販売、説明はこちらからご覧下さい)

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古代ローマ、3世紀から4世紀、 珍しい形にショルダー部分に葉のモチーフの美しい透かし彫り « interrasile»。 とても重さがあり、指輪のコンディションは良く、着用もできます、インタリオのないアイアゲートを使用していて非常に珍しいです。

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古代ローマ後期、4世紀から5世紀。 珍しい時代の素晴らしい指輪です。 形もとても珍しく (細工、数珠状の装飾、造粒など)、重量は重く、 指輪は完璧なコンディションで、しかも装着可能の強靱さがあります、インタリオも珍しい最高の色をしたプラースでモチーフはネメシス、クリスティーズ、、ニューヨーク、2003年12月11日(ロット465)(ギャラリーにて販売)

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古代ローマ後期、5世紀から6世紀、イングランドで発見されました (ナショナル・トラスト)。ベゼルが刻まれていて八角形の輪の形をした刻印つきの珍しい指輪です。

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オットニアンの指輪。 10世紀。  クロイスターズ美術館蔵(上)私のパートナーが記念に指にはめた写真です(下)

この最高に美しい指輪は私のフランス人のパートナーが23年間のビジネスで百個以上の古代ローマの指輪と中世の指輪をコレクションとして所有し、販売してきましたが、これが今までのパートナーの人生のなかで最も素晴らしいリングです。この指輪は今はニューヨークのクロイスターズ美術館が所有しています。

 

まとめ

古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事として、まず第一に本物の指輪を気を付けて選ばなければいけない事と、価値のある指輪が何なのかを知っておく事、古代ローマの金の指輪の参考になる価格例を挙げるのはとても難しいのですが、本物の金の指輪にはピンキリですが、だいたい500ユーロから50,000ユーロくらいの値が付く事を知っておく事です。

例を挙げると、この美しい指輪は2008年にロンドンの古美術商で6,800ポンドの買値がつきました。形も丈夫で、インタリオの石もニコロで美しく、モチーフも複雑で非常に興味深く、インタリオも指輪も完璧なコンディションです。品質からして現在の価格はおそらく10,000ユーロ程になるでしょう。

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« Roman gold and niccolo intaglio ring, The solid plain hoop, flat on the interior and rounded on the exterior, expands to wide shoulders set with a bevelled oval stone engraved with a naked Theseus standing with one leg bent, holding the sword of his father Aegeus before him. A leaf and an inscription in Greek are engraved to the field. Roman. 2nd century AD, Size: J, 4 7/8, Diameter across shoulders: 2.7 cm. Ex. private collection Europe, acquired c. late 1980s. £6,800. »

« 古代ローマの金とニコロ・インタリオの指輪。ソリッドでプレーンな輪、内側が平で外側は丸みを帯びていて、ショルダーへ幅が広くなります。片足を曲げて立ち、父であるアイゲウスの剣をかざす裸のテセウスが刻まれた斜角の楕円の石が留まっていて、平面部分には葉とギリシャ語の刻印が彫られています。古代ローマ、2世紀。サイズ:J、4 7/8、直径2.7センチ。以前はヨーロッパで個人のコレクションとして保管されていたもの。取得した時期は1980年代後半で価格は6,800ポンド »

 

沢山の例を挙げて説明をしてみましたが、では実際にアートマーケットでどのように

古代の作品が紹介されているか例をあげてみたいと思います。

例えば、参考としてグーグル画像検索で

roman gold ring timeline auctions

で検索すると古代ローマの金の指輪が検索結果の中に価格付きで沢山出て来ます。

でも気をつけて見てみて下さいね。

検索結果に出てくるすべてのリングが本物かどうかは…不明…です。

 

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

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アンティークレッスン オパール 


オパール

オパールは最も魅力的な石の1つです。貴蛋白石のブラック・オパールが持つ虹色の美しさは、オスカー・ワイルドの作品『ドリアン・グレイの肖像』(1980年) の中で「砕けた虹のような乳白色のオパール」と表現されています。『オパール』の語源はサンスクリット語の「upala」で、「宝石」という意味です。

Fouquet and Lalique  Art Nouveau brooch

 

 アールヌーボー作品、ラリック&フーケ

 

I –種類

 

オパールの種類は、地色と遊色効果 (ファイヤー) のタイプで区別できます。

 

♦ 「ハーレクイン・オパール」は「ノーブル・オパール」 とも呼ばれ、半透明の乳白色の白地にカラフルな輝きがあります。

 

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♦ 「ブラック・オパール」は、緑または暗青紫の地色に多彩な輝きを持っています。暗い色の地は炭素と酸化鉄によるものです。

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Black-Opal-and-Diamond-Ring

 

22個のダイアモンドをあしらった18金の台にセットされた、27.63カラットのブラック・オパールのリング。

推計7〜8万ドル。(ボナムス、2010年9月)

 

 

♦ 「ファイヤー・オパール」は、赤地に橙赤色の輝きを持っています。ジョゼフィーズ・ド・ボアルネ: Joséphine de Beauharnais (ナポレオン1世の最初の妻) は、『トロイの炎上 (Fire of Troy)』と呼ばれる見事なファイヤー・オパールを所有していました。

 

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♦ 「クリスタル・オパール」は、透明または不透明で、多彩ではっきりとした色合いです。ブラック・クリスタル・オパールは、暗い色の地の透明なオパールです(台は黒くありません) 。

Crystal Opal

 

♦ 「コモンオパール」は、ほとんど輝きのない乳白色です。

 

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♦ 「オパール・マトリックス」は、オパールが形成された石の断片と結合したものです。

 

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II歴史と出所

 

1- 東ヨーロッパ

 

ローマ帝国時代にスロバキアで発見され、産出地はDubnika (スロバキア) の近くで19世紀まで唯一の産出地でした。この鉱山は1920年まで操業され、オーストラリアでオパールが発見されるまでは、ここが主要発掘場所だったのです。ここで発掘された「ノーブル・オパール」は「ハンガリー・オパール」と名付けられましたがこの生産が重要視されたことは一度もありませんでした。ここで見つかるオパールは、乳白色の地に色のついた小さな点 (ピンファイヤー) が入ったものがほとんどで、時々、マトリックスが見つかり、王族の宝石に使われたものもありました。この鉱山は長年閉鎖され、時々数個が売りに出されるだけです。ここで見つかるオパールの質と美しさはオーストラリアのオパールに比べかなり低いものでした。

 

Oplas slovakia

 

2- メキシコ

ケレタロ州がオパールの主要産地です (ファイヤーとハーレクイン)。産出オパールの大部分は「ファイヤー・オパール」です。このファイヤー・オパールはアステカ族 (1325〜1521年) が利用していました。シカゴ自然史博物館には、世界で最も有名なオパールの1つ『太陽神 (Sun God)』が所蔵されています。これは、16世紀のメキシコの寺にあったもので、コロンブス文明前にこの宝石がいかに重要であったかを示しています。征服後、メキシコのオパール鉱脈は世間から忘れ去られました。ケレタロの鉱山は1855年に再発見されます。

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3- オーストラリア

1875年、クイーンズランド・オパールが発見されました。1889年に、ロンドンのハットン (Hatton) の宝石商だった Hasluck兄弟が、この新種のオパールにチャンスを与えました。その後、オーストラリアのニューサウスウェールズ州ホワイト・クリフス (White Cliffs) でハーレクイン・オパールが発見されました。そして、ロンドンでオパールの販売が成功を収め、美しいハーレクイン・オパールで有名なホワイト・クリフス鉱山の生産が可能になりました。

1902年、ライトニング・リッジ (Lightning Ridge) で水脈を見つけるために井戸を掘っていた際に、最初のブラック・ストーンが見つかり、1903年にライトニング・リッジで最初のオパール・ラッシュが起こりました。2度目のラッシュは1909年に起こり、1400名の鉱山労働者が関わりました。

ライトニング・リッジは人気の高いブラック・オパールの世界唯一の産出地です。5〜7mの深さにある約1m幅の粘土層の中に見つかります。

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1938年にオーストラリアのサウスニューウェールズ州ライトニング・リッジで、世界最高値のブラック・オパールである「オーロラ・オーストラリア」が見つかりました。このオパールは 180 カラットで、黒地に赤、緑、青のハーレクイーン・パターンがあります。

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III加工と偽物

 

1- 染色

ブラック・オパールを生産するために、とりわけ1920年以降は、オニキスの染色と同様の加工手法が使われました (砂糖水に漬けた後、酸をかけ、オパールの色を暗くする)

オパールにはポリエステルが添加されることもあります。

2 –人工オパール

1974年に、ギルソン (Gilson)  が本物に非常に近いハーレクインとブラック人工オパール (すなわち、青、緑、赤色) を流通させました。

この人工オパールは、日本 (京セラ、イナモリ) やロシアでも作られています。プラスチックと合成されるものもあります。1980年以降、日本のある会社が、コンパクトポリマーで適切な直径のスチレン粒子で構成された非常に優れた模造品を生産しています。

 

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3 –ダブレットとトリプレット

 

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- ダブレット : 低質のオパール・マトリックスや暗い色の玉髄(ぎょくずい) の黒い接着台の上に 真っ平らなカボション・カットのノーブル・オパールが 張られています。

 

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- トリプレット : 黒い台 (マトリックス・オパールか暗色の玉髄) の上に平らなノーブル・オパールが張られ、その上にレンズとして、カボション・ロック・クリスタルか人工スピネルが乗せられています。

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- 合成物 : ガラスやプラスチック上に小さな天然または人工のオパールが埋め込まれています。

 

IV – まとめ

 

Bague opale

 1920年以前のアンティーク・ジュエリーにあしらわれた素敵なオパールを見つけた場合、通常、オパールには何の加工も施されていません。しかし、オパールは常にオリジナルなものとは限らないので注意が必要です。アンティーク・ジュエリーにモダンなオパールを据え付けるディーラーもいます。1910〜1930年物のジュエリーに据え付けられたモダンなダブレットや人工オパールを目にしたことがありますが、この場合は台のみが古い本物でした。 非常に素晴らしいオパール石を見つけたら、石がオリジナルであることを確認するため、台の縁を注意深く観察し、疑わしい場合は、その宝石が高価なものである場合はディーラーに宝石鑑定書の発行を頼む事をお薦めします。

Certificatblack opal

10ct ブラックオパール 鑑定書付き

 

仙波亜希子 Akiko semba

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