〜古代エトルリア展へ〜 


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久しぶりのブログ更新となってしまいました〜、すみません!
パリを離れてあちこち回っていたり、古代ローマフェアの準備やらなにやらの慌ただしい暑苦しさをお見せしても、、と思っているうちにブログをご無沙汰してしまいました(^^; 少し落ち着いてきたらもう少しマメに更新できるようにしたいです。。。

今日は、前々からとても楽しみにしていた古代エトルリア展に行ってきました!エトルリアは古代地中海世界でもとてもユニークな存在ですよね、エジプトやフェニキア、ギリシャ、ローマなどの国々の繋がりを作品からも感じました。
展示数はそれほど多くはなかったのですが、作品が発する目を釘付けにするパワーや、エトルリア人の素晴らしい芸術的感性、興味深い生活の様子などを丁度良いボリュームで紹介していて、とてもリラックスして楽しむ事が出来ました。

写真があまり撮影できませんしたが、美術館の展示の一部をカタログ写真と合わせて掲載しますのでご覧下さい(^-^)

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仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
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アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界


アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界

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最高品質のエトルリアのスカラベ、 480 – 450 (メトロポリタン美術館)

 エトルリア文明は謎と詩情に満ちています。エトルリア美術は古代世界において最も美しいものの一つで、この民族の起源には様々な説があります。

エトルリア文明は中央イタリアで紀元前750年ごろから発展し始めました。この絢爛なる文明の最盛期は紀元前600年と350年の間です。

ローマ人はエトルリアの征服を紀元前311年に始まった戦争の間に開始し、エトルリア人最後の都市はローマにより紀元前265年に征服されたました。この年こそエトルリア文明の最後の年です。

コーネリアンで出来たスカラベはこの歴史の流れを追います。最良の作品は紀元前4、5世紀以降のものになります。また、エトルリアのスカラベは、« archaïc »、 « free»、 « transitionnal »という名で知られる様式に分類されます。

“a globolo”様式は前4世紀末に始まる様式です。前3世紀における”a globolo”様式の作品はチャーミングでユニークな様式ですが、エトルリア末期のものになります。

エトルリアスカラベの素材は暗赤色のカーネリアンが殆どです、形も常にスカラベ型で、彫刻部分以外の品質はほぼ均質ですから、意図的に均一にしているように思われます、(例えばギリシアのカーネリアンは様々な色合いを持ち、また使用される石の種類も多いです。)

スカラベの背面の表現はギリシアのものよりも細工が丁寧で、特に盛り上がった縁の模様が美しく仕上げられています。また背面にカメオなどのレリーフが付いているものもあります。スカラベは宝石として扱われる場合が多く、精巧な金のフレームがが付くこともしばしばあります。

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サテュロスの彫られたギリシア製スカラベ、 5世紀初頭  (大英博物館)

 

I – ギリシアの影響を受けたArchaïc 様式  (6 – 5世紀)

 

堅い宝石にスカラベの彫刻を施すことは、エトルリアでは紀元前6世紀の後半に始まりました。これはギリシアのアルカイック様式の彫刻から影響を受けたもので、おそらくギリシア人芸術家の手によるものと思われます。

この様式のニュアンスからは、ギリシア世界のなかでも最も初期に出現したイオニアの彫刻家が示唆されます。題材はギリシアに従うことも多いのですが、ある種の題材が特に好まれるということもあり、ギリシアで扱われていたのと必ずしも、あるいは決して、同様に扱われるわけではありません。ギリシア神話の図像はエトルリア人にすぐ受け入れられましたが、いつでも完全に理解されているわけではなく、また少し違った物語が伝わっていることもあります。

そして、エトルリアの題材のみを純粋に反映していると思われるものは殆ど存在していないようです。

 

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Archaïc 様式、前6世紀

 

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Archaïc 様式、前6世紀末

 

II – ギリシアから派生したエトルリア様式、« Free 様式» 5-4世紀

 

前5世紀終わりにかけての様式はギリシアに近い様式ですが変化が見られます。最も優れた作品はどんなギリシア産のものにも劣らず、特に« free 様式»における英雄の肉体的特徴を捉えた解剖学的研究は非常に優れています。前4世紀に« free 様式»は最盛期を迎え、もっと自然な表現である« transitional 様式 »も始まりを告げます。

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« free » 様式で彫刻されたアスリート、 480 – 450

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 free様式で彫刻された英雄、前 450

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 «  free 様式»で彫刻された戦士、前5世紀

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 美しい題材: « free style »で彫刻されたヒュプノス、前4世紀初頭

 

III – もっと自然で、エトルリア特有の題材も目立つようになった« Transitional 様式 » 、前4世紀

 

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« transitional 様式 »で彫刻された戦士(上)とサテュロス(下)、前4世紀

 

IV – « A globolo » 様式、前4世紀末3世紀

 

前350年以降、« a globolo 様式»が始まります。これは図像を主にドリルで描き、小球の集まりで表現するものです。この様式はすぐに広まり、動物の形態の研究に伴いさらに簡略化されてゆきます。

 

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初期の« a globolo »様式、 場面は周囲がギザギザ模様で縁取られています。

まず 黒い丸で囲ったような丸形をドリルで描き、他の部分を彫ってゆきます。4世紀末

題材もまた前350年以降に変化します 、英雄や神話の場面は用いられなくなり、そのかわりに、空想上の生物 (キメラ、グリフィン、ケンタウロス、サテュロス) や、曲芸師、動物などが描かれました。 

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初期の« a globolo »様式、場面はギザギザ模様で縁取られています。前4世紀末

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 3世紀に典型的な« A globolo »様式。デザインは非常に単純であり、縁もギザギザ模様ではなく細い線だけです.3世紀    

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« a globolo »様式で彫刻された曲芸師、 3世紀 (ギャラリーにて販売)

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 « a globolo »様式で彫刻された動物、前3世紀  (クリスティーズ、200712)

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« a globolo »様式で彫刻されたケンタウロス、前3世紀 (大英博物館)

 

V – ギャラリーソレイユでご紹介しているエトルリア製スカラベ付きリング

稀少なエトルリアスカラベの中でも最も品質の高い作品をご紹介致します。スカラベが高品質だけではなく、リングも含めて全てオリジナルです、ほとんどのエトルリアスカラベはオリジナルリングが失われている為にこれは極めて珍しいことです。

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古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング« 泉のヘラクレス » « free 様式 »、前4世紀 

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古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング «古代 射手 » «transitional 様式 »、前4世紀

 

高品質で、インタリオもスカラベもすべてオリジナルの素晴らしい作品です(^-^)

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

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