フランスの伝統的なジュエリー 〜オーベルニュのサンテスプリ〜

ギャラリーで扱っている鮮やかで深いざくろ色のガーネットが綺麗な19世紀前半のオーヴェルニュのサンテスプリ。こちらはオーヴェルニュの都市のル・ピュイ・アン・ヴレイの物、サンテスプリは様式化した鳩の形態をしていて、カトリック教のシンボルである聖霊のことです。深い意味も込められていますが、ジュエリーとしても素敵なデザインです。

サンテスプリはオーヴェルニュの伝統的なジュエリーで、そのオーヴェルニュは有力な商業十字路を持った豊かな地域。

当時の女性達が肖像画の中でも身につけています。

1890年頃の女性

18世紀後期の女性

18世紀および19世紀には、これが結婚式の日に新郎から新婦へと贈られていました。サンテスプリは洋ナシのような形をした3つの装飾が鳩から下げられています。
これには宗教的観念があるのです。

19世紀のサンテスプリ

オーベルニュのサンテスプリ 19世紀

ル・ピュイ・アン・ヴレイのサンテスプリ

 

この3つの装飾は、キリストの涙と、キリストの3つの徳:希望、信仰、博愛を表しているのです。

鳩は高度に様式化されていることが多いので、この鳥を特定するには豊かな想像力が必要になります。珍しい場合では、金属細工が非常に精巧でクチバシや羽根といった詳細な部分まではっきりと区別することもできます。

様式化された鳩は、主に聖霊を表象していますが、同時に愛と貞実の使者であるヴィーナスの鳥をも想起させます。鳩の表象はすぐに婚姻関係と一体となり、そこで感傷的な寓話が宗教的な寓話と混ざり合いました。

こちらのジュエリーは首、またはより長く胸へかけて着用することができます。金のチェーンもしくはベルベットのリボンが一般的です。

ペンダント部分は金製で、金属部分は彫金の技術によって加工されています。ガーネットのみではなく、クオーツやシトリン、ペリドットといった半貴石と共に楕円の洋ナシ形のベゼルに埋め込まれることもあります。

ル・ピュイ・アン・ヴレイはかつて宝石細工で名高かった街、点や線で飾られた円錐形やギロシェを見ることができます。これらの装飾は宝石が据え付けられる前に円錐の内側に施されるものです。中にはエナメルの装飾もあり、時にはそれを両面に見ることもできます。

このような宝石に関する記述は17世紀後期から存在し、第一帝政と帝政復古の下で一般に広まりました。今日でもホーリー・スピリットはカンタルやオート・ロワールでは依然として大きな人気があります。

ギャラリーにてオーベルニュのサンテスプリペンダントを扱っております。どうぞご覧下さい。

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