アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界


アンティークレッスン 詩情あふれる古代エトルリアのスカラベの世界

BB1

最高品質のエトルリアのスカラベ、 480 – 450 (メトロポリタン美術館)

 エトルリア文明は謎と詩情に満ちています。エトルリア美術は古代世界において最も美しいものの一つで、この民族の起源には様々な説があります。

エトルリア文明は中央イタリアで紀元前750年ごろから発展し始めました。この絢爛なる文明の最盛期は紀元前600年と350年の間です。

ローマ人はエトルリアの征服を紀元前311年に始まった戦争の間に開始し、エトルリア人最後の都市はローマにより紀元前265年に征服されたました。この年こそエトルリア文明の最後の年です。

コーネリアンで出来たスカラベはこの歴史の流れを追います。最良の作品は紀元前4、5世紀以降のものになります。また、エトルリアのスカラベは、« archaïc »、 « free»、 « transitionnal »という名で知られる様式に分類されます。

“a globolo”様式は前4世紀末に始まる様式です。前3世紀における”a globolo”様式の作品はチャーミングでユニークな様式ですが、エトルリア末期のものになります。

エトルリアスカラベの素材は暗赤色のカーネリアンが殆どです、形も常にスカラベ型で、彫刻部分以外の品質はほぼ均質ですから、意図的に均一にしているように思われます、(例えばギリシアのカーネリアンは様々な色合いを持ち、また使用される石の種類も多いです。)

スカラベの背面の表現はギリシアのものよりも細工が丁寧で、特に盛り上がった縁の模様が美しく仕上げられています。また背面にカメオなどのレリーフが付いているものもあります。スカラベは宝石として扱われる場合が多く、精巧な金のフレームがが付くこともしばしばあります。

 BB2

サテュロスの彫られたギリシア製スカラベ、 5世紀初頭  (大英博物館)

 

I – ギリシアの影響を受けたArchaïc 様式  (6 – 5世紀)

 

堅い宝石にスカラベの彫刻を施すことは、エトルリアでは紀元前6世紀の後半に始まりました。これはギリシアのアルカイック様式の彫刻から影響を受けたもので、おそらくギリシア人芸術家の手によるものと思われます。

この様式のニュアンスからは、ギリシア世界のなかでも最も初期に出現したイオニアの彫刻家が示唆されます。題材はギリシアに従うことも多いのですが、ある種の題材が特に好まれるということもあり、ギリシアで扱われていたのと必ずしも、あるいは決して、同様に扱われるわけではありません。ギリシア神話の図像はエトルリア人にすぐ受け入れられましたが、いつでも完全に理解されているわけではなく、また少し違った物語が伝わっていることもあります。

そして、エトルリアの題材のみを純粋に反映していると思われるものは殆ど存在していないようです。

 

BB3

 

Archaïc 様式、前6世紀

 

BB4

Archaïc 様式、前6世紀末

 

II – ギリシアから派生したエトルリア様式、« Free 様式» 5-4世紀

 

前5世紀終わりにかけての様式はギリシアに近い様式ですが変化が見られます。最も優れた作品はどんなギリシア産のものにも劣らず、特に« free 様式»における英雄の肉体的特徴を捉えた解剖学的研究は非常に優れています。前4世紀に« free 様式»は最盛期を迎え、もっと自然な表現である« transitional 様式 »も始まりを告げます。

765

« free » 様式で彫刻されたアスリート、 480 – 450

 654

 free様式で彫刻された英雄、前 450

BB9

 «  free 様式»で彫刻された戦士、前5世紀

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 美しい題材: « free style »で彫刻されたヒュプノス、前4世紀初頭

 

III – もっと自然で、エトルリア特有の題材も目立つようになった« Transitional 様式 » 、前4世紀

 

BB11 

BB12

« transitional 様式 »で彫刻された戦士(上)とサテュロス(下)、前4世紀

 

IV – « A globolo » 様式、前4世紀末3世紀

 

前350年以降、« a globolo 様式»が始まります。これは図像を主にドリルで描き、小球の集まりで表現するものです。この様式はすぐに広まり、動物の形態の研究に伴いさらに簡略化されてゆきます。

 

BB17

初期の« a globolo »様式、 場面は周囲がギザギザ模様で縁取られています。

まず 黒い丸で囲ったような丸形をドリルで描き、他の部分を彫ってゆきます。4世紀末

題材もまた前350年以降に変化します 、英雄や神話の場面は用いられなくなり、そのかわりに、空想上の生物 (キメラ、グリフィン、ケンタウロス、サテュロス) や、曲芸師、動物などが描かれました。 

SAMSUNG DIGITAL CAMERA 

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 

BB18

初期の« a globolo »様式、場面はギザギザ模様で縁取られています。前4世紀末

 BB20

 3世紀に典型的な« A globolo »様式。デザインは非常に単純であり、縁もギザギザ模様ではなく細い線だけです.3世紀    

872

 

« a globolo »様式で彫刻された曲芸師、 3世紀 (ギャラリーにて販売)

BB24 

 « a globolo »様式で彫刻された動物、前3世紀  (クリスティーズ、200712)

 BB25

« a globolo »様式で彫刻されたケンタウロス、前3世紀 (大英博物館)

 

V – ギャラリーソレイユでご紹介しているエトルリア製スカラベ付きリング

稀少なエトルリアスカラベの中でも最も品質の高い作品をご紹介致します。スカラベが高品質だけではなく、リングも含めて全てオリジナルです、ほとんどのエトルリアスカラベはオリジナルリングが失われている為にこれは極めて珍しいことです。

BB26

古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング« 泉のヘラクレス » « free 様式 »、前4世紀 

BB27

古代エトルリア コーネリアンスカラベ オリジナルリング «古代 射手 » «transitional 様式 »、前4世紀

 

高品質で、インタリオもスカラベもすべてオリジナルの素晴らしい作品です(^-^)

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話    080-3364-3978
仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス  antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら

アンティークレッスン 古代ジュエリー 偽物と本物


アンティークレッスン 古代ジュエリー 偽物と本物

antique-jewellery-intaglio

 どちらも古代ローマ世紀の品であると言われていた作品です

一つは完全な本物でもう一つは年代のミスがあり、また一部偽物です・・・どちらが本物でしょうか?

私の最も信頼できる古代美術のパートナーは14歳のときからフランスでインタリオの収集を始めました。歴史学者(フランス国立古文書学校)であり宝石学者(宝石学研究所)でもあるパートナーは、古代彫刻と古代の指輪の専門家になって23年になりますが、インターネットの普及に伴い、偽物が簡単に確認できるようになってきていることを残念に思っています。近年では知識や証明無しに古代美術が販売されています、例えば誰でも出品可能なオークションEbayですら、古代美術のディーラーとして偽物の古代インタリオ、偽物の古代カメオが販売されていたりするからです。

 BB3

 AD100年のローマインタリオと言われています。本物か偽物、どちらでしょうか?

BB4

BB5

BB6

BB7

BB8

BB9

BB9a

これらは古代ローマのリングと言われています。本物か偽物、どちらでしょうか?

古代ジュエリーに純粋な夢を求める愛好家が、安くはないお金を支払い、« 秘蔵の品 »と呼ばれる作品を購入しますが、この« 秘蔵の品 »が価値の無いつまらない偽物ではないということを確認する方法が、愛好家には無いのが現実です。この事をとても悲しく思っています。。。

BB10 

BB11

例えば、この近代の偽物の指輪は3世紀の年代の品と言われ、

ebayで1万1,000ドルで販売されていました。

この作品を購入した人が、いつか古代のジュエリーを購入しようと貯めたお金で、

この作品を購入していたとしたらどれだけの悲しさでしょう。


もう一つのよくある問題は、古代ジュエリーの記述が誤っていることです。品は本物であるけれども、知識不足から記述、石の名称、金の品質、あるいはもっとひどくて品物の年代が誤っていることがあります。。。

細工の年代判定は比較的難しくはありません。ただ、型がとてもシンプルなら模倣するのもとても容易だということでもあります。

Art Nouveau Goddess of Fertility and Crops Ring by Wiese

では、例えば、この指輪はどの年代でしょうか?

インタリオの年代は古代ローマ2世紀ですから、古代ローマ2世紀でしょうか?

実はこの指輪は1890年に、古代のインタリオを使ってジュエラールイ・ヴィエズによって制作されたものです!

ただ、これはルイヴィエズの古代ジュエリーへの憧れが作品として昇華したものですから、面白みがあり、ルイヴィエズ作だと言う事が分かっていて購入するのなら、何の問題もありません。

 

インタリオの年代判定はゴールドの指輪の年代判定よりもより困難です。インタリオの年代判定に関する間違いは非常に多く見られます。

例えば、、、インタリオが古代ローマ時代の品はギリシアもしくはヘレニズムの作品ということになっていたり・・・古代ローマ3世紀の品は古代ローマ1世紀になり、・・・ササン朝の品は古代ローマ後期と言われ・・・ルネサンス朝、19世紀もしくは近代の品ですら古代ローマと言われています・・・!

石の名称に関する誤りもあります、レッドジャスパーはコーネリアンとなり・・・レッドコーネリアンはガーネットになり・・・グリーンアゲートはエメラルドになるのです・・・!

古代ジュエリーや古代彫刻を知る、購入するには本物の専門家を見つける事が実に重要です。かなり多くの偽物が出回っていてそれらを見分ける方法が、専門家以外には分からないからです。

こうしてアンティークレッスンでいろいろな事をお話する目的は、古代ジュエリーを愛する人たちの夢を守り、本物の価値ある品をきちんと購入して頂くことです!

このレッスンで、本物の専門家が持つ知識の一部と、どのように鑑定し偽物を見つけ出しているかを少しご説明します。これらの方法の一部は、アンティークマーケットの日常の作品対象としてはあまりにも高額で、博物館研究所で使用されているものです。しかし古代の品の信憑性を鑑定することが本物の専門家以外には困難であるということを感じて頂けると思います。また、これらをお話してもフェイクメーカーが対策をすることは不可能ですから問題はありません。

専門家で無ければ判定はとても難しく、ほぼ不可能と言えます。

 

I.古代の技法と宝石の起源をたどる研究を通して鑑定・・・

 

ルーペと双眼顕微鏡の検査・・

 

第一段階は、10から30倍の無色のルーペ、Bresser Researcher ICD (x 40 x 80)の単体物双眼顕微鏡を使用して各宝石や対象品を念入りに観察します。この観察により以下のことが分かります:

-  ジュエリーの制作に使用された過程や手順の識別(キャスト、ハンマーでたたく、装飾[彫刻、彫版・・・]、構造要素[各部分の異なる部品])

- 構造要素および装飾要素の方法: 半田付け、曲げ加工、リベット打ち

- 装飾要素、材料の追加なし:レポゼ、打出し模様、彫刻、刻印、オープンワーク・・・また材料の追加有り:ワイヤー、粒子、貴石、溶融ガラス、エナメル、珊瑚、真珠など。

 

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

.

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 表面の分析:半田付け、制作に使用した工具の形跡、カット、レタッチ、装飾の取り付けや仕上げなど・・・

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

痕跡学  目に見えるものを辿って分析することから制作に使用された工具を識別する科学的専門分野。金細工師、宝石細工職人や彫刻師が装飾、カッティングや部品の成型に使用した工具の形、大きさや種類を定義することに努めています。これにより工具が仮定する時代に適応しない工具の場合、偽物であることを見つけることが出来ます。古代に行われた修理、近代(特に19世紀、20世紀)の修復、手入れ、石の交換の発見および識別をします。

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

模倣作品や鍛造の識別。摩損、青錆(自然発生か人工的か)の兆候・・・対象品の青錆が論理的で順当に摩耗過程をたどっているかを確認する分析。この変化はフェイクメーカーには真似出来ません。

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 

博物館研究所における科学的研究

 

1 – SEM.

 

走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して検査します。この検査では顕微鏡写真術も一緒に使用されます。

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

2 – 放射線透過写真 X線.

対象品の内部構造のためにX線検査も行われます。この方法により内部の状態や想像もしなかったような秘密がわかるだけでなく、上手く隠された修復部分も見えます。

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 

3 -蛍光X

 

金の組成成分の分析です。ジュエリー制作に使用されている金の原産地と起源は、付着物の特性を示した痕跡の分析に基づいて判定しています。

金に関連する一部の要素(鉛やオスミウムなど)は、金が発見された場所の特性から同位体比です。

蛍光X線は、標本の化学成分の判定や、亜鉛やコバルトなどの近代物質の存在を確かめるのに使用されます。(シンクロトロン放射光蛍光X線分析法:SR- XRF)

金の組成は完璧には立証されていないことを覚えておいて下さい。近代の模造品の制作者は古代ゴールド(たとえば、摩耗した古代硬貨から収集した金)を使って偽物の宝石を作ることが出来ます・・・

 

II . 文書および肖像の分析:

 

古代ジュエリーを実際に手に取り細部を確認する事に加えて、以下のような古代ジュエリーの資料や肖像を平行して確認していく事もとても大切です。

SAMSUNG DIGITAL CAMERA 

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 SAMSUNG DIGITAL CAMERA

また、フランスの公的なコレクション(ルーブル美術館、ガロ・ロマン文化博物館、リヨン美術館 フルヴィエール、サン・ジェルマン・アン・レーの国立考古学博物館 、パリの 国立図書館メダル陳列室、ニームの考古学博物館、ディジョンの考古学博物館、ナントの博物館など)、外国では(エジプト考古学博物館、アレクサンドリア国立博物館、大英博物館、アシュモリアン博物館、オックスフォード、メトロポリタン美術館、ニューヨークのブルックリン美術館、ライン州立博物館ボン)などで、作品を見る事も大切です。

BB23

フランスのブザンソンで発見された秘蔵の品、1世紀

または、現存する様々な芸術品、古代資源文学、彫刻、粘土、絵画、硬貨などから学ぶ事も大切です。

 

BB24

 本物の古代ローマの指輪、3世紀

類型的で様式的な分析も大切になります。例えば、これは古代ローマ3世紀の指輪です。何故これが古代ローマ3世紀の作品であると言えるのかは、この独特の形をした指輪が古代ローマ3世紀のコイン等と共に出土をした考古学的背景から、この作品が古代ローマ3世紀といえるのです。これは作品の年代判定を行うのにおいて必ず必要な段階の一つです。

手に取り、作品の技法、様式が、肖像と一致しているかを平行して確かめる事も不可欠です。

 

これらの全ては、いつの日も、古代ジュエリーへの純粋な夢を守り、壊さないようにする事が目的です。

 

SAMSUNG DIGITAL CAMERA

 本物の素晴らしい宝物: サン・ドニのメロヴィング朝のリング!夢がつまっています(^-^)(M.A .N

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話    080-3364-3978
仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス  antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら

アンティークレッスン 古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事


古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事

 

数千年もの時を超えて目の前に現れてくれる古代ローマの金の指輪は、現代のジュエリーにはない壮大なロマンが宿った指輪です。金という素材は数千年を経ても腐食などなく、そのままの姿で残るため、古代ローマの空気がそのままタイムスリップして目の前に現れたように感じる事ができます。

これほどに興味深く魅力的な古代ローマ時代の金の指輪ですが、正しい情報を知る事が難しいのが現実です。興味があって購入をしたくても、実際には何が良い指輪なのかわからない方が多いと思います。古代のジュエリーはとても難しい分野ですからプロフェッショナルはほんの一握りですし、良く分からない分野だからこそ贋作や価値のない作品が高く販売されていることがあるので、購入する時には慎重になって頂きたいと思います。

古代ローマの本物のジュエリーを購入する前に、いくつかの基本的なことを知っておく必要がありますから、現在のアートマーケットの動向も踏まえて出来るだけ分かりやすく説明致します。

まず最初に知っておくべきなのは、古代ローマの金の指輪は中世の金の指輪に比べて希少性は少ないということです。

例えば、世界で最も重要な個人蔵の指輪コレクション(コッホコレクション)には240個の古代ローマの金の指輪(紀元前1世紀から5世紀まで)と20個の中世の金の指輪(11世紀から15世紀まで)があります。なぜなら古代ローマ時代は中世よりも金は一般的によく使用されていたからです。また、古代ローマ時代の指輪は、多くの場合、持ち主と共に墓に埋葬され、2千年後に墓が発見されたときに、指輪もそのままの姿で発見されます。

A1

 

古代ローマの金の指輪の価値を理解するための主な基準は以下のとおりです。

 

1 – 本物か偽物か?

 

まず、これは一番最初に重要なことです!アートマーケットには沢山の偽物が出回っていますから気をつけて下さい!

私はパリを拠点に活動をしていますから、フランスの古代美術専門家との交流も頻繁に出来ますし、古代ジュエリーも実際に実物を手に取りながら、学ぶ事が出来ます。古代のジュエリーも他のジュエリーと同様に本や写真だけの情報では理解することはできません、必ず手に取る必要がありますから古代ジュエリーを理解する為にはヨーロッパで学ぶ事が必要です。

そして真贋に関しては作品をいろいろな視点から確認する必要があります。これは例えば、金の表面が摩耗しているから古代の作品である、というようなシンプルな事ではありません。本物の古代ジュエリーには贋作にはない特徴がありますが、それをお話してしまうと、フェイクメーカーがより精度の高い作品を作れるようになってしまう為に、インターネット上ではお話することはできませんが、それ以外で基本的な事をアンティークレッスンでお話させて頂こうと思っています、古代ローマフェアでは数回のレッスンを予定しています。

古代ジュエリーを理解するのに大切な事は、学んだ年月の長さではなく、正確な知識を集中して深く学んだかどうかです。古代の指輪、カメオ、インタリオの分野で私が最も信頼出来る有名な専門家であるフランス人のパートナーは、フランスで美術館、博物館の学芸員になる為の最も有名なグランゼコール、フランス国立古文書学校で研究を行い、23年のキャリアの中で何千ものカメオ、インタリオ、古代の指輪を見てきました。そしてパートナーが言うには、インターネットの普及に伴い以前よりも偽物が市場で簡単に確認できるようになってきているとのことです。

 

もうひとつの問題は部分的な偽物に関してです。

A – 石(通常はインタリオ)は本物だけれど、リングがモダンのもの。

B – リングは本物だけれど、外れてしまった石の代わりにモダンの石を留めている。

C-  石とリングのどちらも本物だけれど、別々につなぎ合わされ、最初に作られた時と同じ状態を保っていないもの。

 

2 – 時代

 

現代に残る古代ローマの素晴らしい指輪の多くは1世紀から2世紀(ローマ帝国時代初期にローマ帝国は金が豊富にある多くの国を征服し、それらの金はローマに送られた為)そして3世紀(多くの金のジュエリーが民族移動の混乱から守るために隠された為)です。

それ以上に古い指輪(紀元前2世から紀元前1世紀、共和政ローマ様式、ヘレニズム様式、エトルリア様式)それよりも新しいもの(4世紀から5世紀、後期ローマ様式、初期キリスト教、初期ビザンチン様式)はさらに希少になります。

 

3 – 状態

 

金はとても丈夫な金属ですが、潰れたり壊れたりすることもあります。その場合、残念ですが価値は著しく低くなります。ほとんどの場合は、金の台はそのまま残っていて、石(宝石やインタリオ)が無くなっているか、ヒビが入ったり、欠けたりして壊れています。金の状態が悪いのはもちろん、宝石やインタリオの状態が割れたり、大きくヒビが入っている場合も価値は著しく低くなります。古代ジュエリーだからコンディションが悪いのが当たり前なのではなく、リングもインタリオも出来るだけコンディションの良い作品を選ぶようにしましょう。

 

4 – 着用できるか否か?

 

基本的に着用できるサイズの物が高価です。小さすぎる指輪や大きすぎる指輪、中が空洞なもの、壊れやすいものは着用しにくいです、そのため、特別に美しいモデルである場合を除いて、これらの指輪の価値は低くなってしまいます。特別なモデルの指輪である場合は、着用するためではなく、コレクターの向けのものとなりますから、価値は下がりません!

 

5 – 質

 

指輪が本物である場合、価値を出すためには質が重要な基準になります。

まず、形がシンプルで、装飾がなく、特別な作品ではなく、重さが軽く、輪の中が空洞で、(エレクトラムのように)金の質が低く、石の質が悪く、インタリオの質が悪い、もしくは大きくヒビ割れていたり欠けている指輪などに非常に高い価値がつくことはありません。

言葉で説明してもなかなか分からないと思いますから、何に価値があって何に価値がないかを写真を掲載しながら説明致します。では低品質から高品質の順に進めていきます。

A2

古代ローマ時代、2世紀、シンプルな形、程よい重さ、悪いコンディション、大きくヒビ割れて壊れたインタリオ。金の状態も悪いですし、インタリオにもはっきりと目立つヒビが入り、価値は殆どありません。

SAMSUNG

古代ローマ、1世紀から2世紀、 シンプルで面白みに欠けるデザイン、  軽量でサイズは小さい。

A4

古代ローマ、1世紀、 シンプルで面白みに欠けるデザイン、 軽量、 それほど良く無いコンディション。

 

A5

古代ローマ、2世紀、シンプルな形、インタリオのデザインの主題は普通でありふれたもの« junctio dextrarum»で面白みに欠けます、コンディションもあまりよくありません。

 

A6

古代ローマ、2世紀後半、 シンプルな形、 中品質なインタリオです。

A7

ガロ·ロマン、3世紀、シャンクが面白いデザインです、重量は軽く、インタリオはガラスでできています(フランスの個人蔵、ギャラリーにて販売)

A8

古代ローマ、 3世紀、リングに面白い装飾があります、素晴らしい色と面白い題材のコーネリアン・インタリオ、しかしリングは空洞で状態は良くありません(ギャラリーにて販売)

A9

 古代ローマ、 2世紀、シンプルな形、軽量、 ですが、インタリオ題材は興味深いものです (ギャラリーにて販売)

r
古代ローマ後期、 2世紀、シンプルな形、軽量、小さいサイズ、カメオにわずかにダメージがあります、しかし古代のカメオはインタリオよりも壊れやすく、残りにくい為に30倍程の希少性があります(ギャラリーにて販売)

A11

古代ローマ、1世紀、面白い形 (ギリシャ様式) 、 ベゼルの彫りとモチーフが良く、丁度よい重さで、着用可能な大きさ。ですが、このとても着用しやすいモデルにはたくさんの偽物があるので、特に注意が必要です。

A12

古代ローマ、3世紀、 全体にとても面白い形です、 丁度よい重さ、着用できる指輪、ベゼルには刻印があります。

A13

 

古代ローマ、1世紀、シンプルな形、 軽量、 インタリオは面白いデザインです、 着用可能な指輪。

A14

古代ローマ後期、2世紀、面白い形、丁度よい重さ、インタリオのモチーフは面白く、着用できる指輪。

A15

古代ローマ、3世紀、面白い形、丁度よい重さ、インタリオの色は良いけれどモチーフは面白さに欠けます、着用できる指輪(ギャラリーにて販売)

A16

古代ローマ初期、2世紀、シンプルな形、丁度よい重さ、インタリオは面白く、着用できる指輪(ギャラリーにて販売)

A17

古代ローマ、2世紀、シンプルな形、丁度よい重さ、着用できる指輪、インタリオのモチーフは面白いけれどごく僅かにダメージがあります(ギャラリーにて販売)

A18

ローマ、2世紀、面白い形、重量は重く、着用可能な指輪、インタリオの石は素晴らしく、モチーフであるテセウスは面白いです、また完璧な状態を保っています。

このモデルにはたくさんの偽物が存在するので注意が必要です。ほとんどの場合はインタリオは古代ローマ時代のもので、リングが近代(19世紀から20世紀)のものが使われています、またフェイクメーカーは22kを使用することが殆どです。

A19

ガロ·ロマン、3世紀、シャンクは面白い形の« pelte  » がモチーフです。ちょうどよい重さ、着用可能な指輪、インタリオのモチーフのダイアナは面白くガラスでできています(ギャラリーにて販売)

A20

ロマノ・ブリティッシュ、4世紀、珍しい時代のもの、玉状のフィリグリーでリングの形が面白いです、しかし、重量は軽く、指輪の状態もあまり良くなく、壊れやすいですが、総じて珍しい作品ですからコレクションとしての価値があります。翠色の石プラースのインタリオは珍しいものです(ギャラリーにて販売)

A21

A22

古代ローマ、4世紀、 珍しい時代のもの、リングがフィリグリーなどで面白い形をしています、重量は軽く、ベゼルの刻印は劣化していますがコレクションとしての価値がある指輪です(ギャラリーにて販売)

A23

古代ローマ、4世紀、 珍しい時代のもの、粒金を用いたシンプルな形ですが、コレクションとしての価値がある指輪です。ベゼルのモチーフ« fede » は面白く、装着可能な指輪。

A24

エトルリア・スカラベ・リング、紀元前3世紀。この時代のものは珍しく、シンプル(ベゼルに金のワイヤーフープが接合した形。この形状はエジプトからフェニキアを通りエトルリアに伝わった)な形で、重量は軽く、壊れやすい指輪。スカラベのグロボロ・スタイルは紀元前3世紀の典型的なもの(ほとんどのエトルリア・スカラベはこの時期のもの)。

エトルリア・スカラベの指輪の多くが19世紀か20世紀のフープを取り付けたものなので、注意が必要です(エトルリア文明が発見された1850よりも後に古代のスカラベをこの形状のフープに取り付けてファッションアイテムとして着用されるようになった為です)。

クリスティーズ、2006年12月7日(ロット251)

A25

古代ローマ、ヘレニズム期の蛇の指輪、紀元前1世紀。 この時代のものはとても珍しく、面白い形で、重量は重く、完璧な状態の指輪で装着可能です。しかし、この蛇の指輪には偽物がたくさんあるので注意が必要です。

A26

A27

ローマ帝国期のエジプト、2世紀、2つのベゼルがある非常に面白い形の装着可能な指輪。古代ローマの指輪でエメラルドと真珠を見つけるのは非常に稀で素晴らしい指輪です!石はオリジナルで僅かにダメージがあります(ギャラリーにて販売)

A28

 古代ローマ、3世紀、ローマ様式に彫られた希少な金の指輪。プレーンなリングがベゼルの土台に装着され垂直なプレートにはロング・キトンを着た神(ローマの神?)が王座に座る姿が彫られています。垂直なベゼルが装着されたタイプの指輪は非常に希少で2世から3世紀に人気があった鍵の指輪シリーズに近いものです(フランスの個人蔵、 ギャラリーにて販売)

b

ロマノ・ブリティッシュ、4世紀、珍しい時代のもので、フィリグリーとビーデットワイヤーの装飾はとても面白く、重量も重く、指輪の状態はも素晴らしく着用可能、インタリオの石とモチーフもとても面白いです。(フランスの個人蔵、ギャラリーにて販売)

A30

A31

古代ローマ、 3世紀、素晴らしい形 、透かし細工、«  interrasile »がショルダー部分に施されています。  重量は重く、 指輪の状態もよく着用できます、とても興味深い石とモチーフのインタリオ(フランスの個人蔵、 ギャラリーにて販売)

86_roman-3rd-century-ring-nicolo-antique-jewellery-4_460x382

古代ローマ3世紀、非常に美しいショルダー、とても重さがあり、着用可能な作り、コンディションも大変よく、インタリオではないアイアゲートが留められた珍しい指輪です。(ギャラリーにて販売、説明はこちらからご覧下さい)

A32

古代ローマ、3世紀から4世紀、 珍しい形にショルダー部分に葉のモチーフの美しい透かし彫り « interrasile»。 とても重さがあり、指輪のコンディションは良く、着用もできます、インタリオのないアイアゲートを使用していて非常に珍しいです。

A33

古代ローマ後期、4世紀から5世紀。 珍しい時代の素晴らしい指輪です。 形もとても珍しく (細工、数珠状の装飾、造粒など)、重量は重く、 指輪は完璧なコンディションで、しかも装着可能の強靱さがあります、インタリオも珍しい最高の色をしたプラースでモチーフはネメシス、クリスティーズ、、ニューヨーク、2003年12月11日(ロット465)(ギャラリーにて販売)

A34 A35

古代ローマ後期、5世紀から6世紀、イングランドで発見されました (ナショナル・トラスト)。ベゼルが刻まれていて八角形の輪の形をした刻印つきの珍しい指輪です。

A36

A37

オットニアンの指輪。 10世紀。  クロイスターズ美術館蔵(上)私のパートナーが記念に指にはめた写真です(下)

この最高に美しい指輪は私のフランス人のパートナーが23年間のビジネスで百個以上の古代ローマの指輪と中世の指輪をコレクションとして所有し、販売してきましたが、これが今までのパートナーの人生のなかで最も素晴らしいリングです。この指輪は今はニューヨークのクロイスターズ美術館が所有しています。

 

まとめ

古代ローマ時代のゴールドリングを購入する前に知っておくべき事として、まず第一に本物の指輪を気を付けて選ばなければいけない事と、価値のある指輪が何なのかを知っておく事、古代ローマの金の指輪の参考になる価格例を挙げるのはとても難しいのですが、本物の金の指輪にはピンキリですが、だいたい500ユーロから50,000ユーロくらいの値が付く事を知っておく事です。

例を挙げると、この美しい指輪は2008年にロンドンの古美術商で6,800ポンドの買値がつきました。形も丈夫で、インタリオの石もニコロで美しく、モチーフも複雑で非常に興味深く、インタリオも指輪も完璧なコンディションです。品質からして現在の価格はおそらく10,000ユーロ程になるでしょう。

A18

 

« Roman gold and niccolo intaglio ring, The solid plain hoop, flat on the interior and rounded on the exterior, expands to wide shoulders set with a bevelled oval stone engraved with a naked Theseus standing with one leg bent, holding the sword of his father Aegeus before him. A leaf and an inscription in Greek are engraved to the field. Roman. 2nd century AD, Size: J, 4 7/8, Diameter across shoulders: 2.7 cm. Ex. private collection Europe, acquired c. late 1980s. £6,800. »

« 古代ローマの金とニコロ・インタリオの指輪。ソリッドでプレーンな輪、内側が平で外側は丸みを帯びていて、ショルダーへ幅が広くなります。片足を曲げて立ち、父であるアイゲウスの剣をかざす裸のテセウスが刻まれた斜角の楕円の石が留まっていて、平面部分には葉とギリシャ語の刻印が彫られています。古代ローマ、2世紀。サイズ:J、4 7/8、直径2.7センチ。以前はヨーロッパで個人のコレクションとして保管されていたもの。取得した時期は1980年代後半で価格は6,800ポンド »

 

沢山の例を挙げて説明をしてみましたが、では実際にアートマーケットでどのように

古代の作品が紹介されているか例をあげてみたいと思います。

例えば、参考としてグーグル画像検索で

roman gold ring timeline auctions

で検索すると古代ローマの金の指輪が検索結果の中に価格付きで沢山出て来ます。

でも気をつけて見てみて下さいね。

検索結果に出てくるすべてのリングが本物かどうかは…不明…です。

 

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話    080-3364-3978
仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス  antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら

 

アンティークレッスン オパール 


オパール

オパールは最も魅力的な石の1つです。貴蛋白石のブラック・オパールが持つ虹色の美しさは、オスカー・ワイルドの作品『ドリアン・グレイの肖像』(1980年) の中で「砕けた虹のような乳白色のオパール」と表現されています。『オパール』の語源はサンスクリット語の「upala」で、「宝石」という意味です。

Fouquet and Lalique  Art Nouveau brooch

 

 アールヌーボー作品、ラリック&フーケ

 

I –種類

 

オパールの種類は、地色と遊色効果 (ファイヤー) のタイプで区別できます。

 

♦ 「ハーレクイン・オパール」は「ノーブル・オパール」 とも呼ばれ、半透明の乳白色の白地にカラフルな輝きがあります。

 

16

 

 

♦ 「ブラック・オパール」は、緑または暗青紫の地色に多彩な輝きを持っています。暗い色の地は炭素と酸化鉄によるものです。

SONY DSC

 

Black-Opal-and-Diamond-Ring

 

22個のダイアモンドをあしらった18金の台にセットされた、27.63カラットのブラック・オパールのリング。

推計7〜8万ドル。(ボナムス、2010年9月)

 

 

♦ 「ファイヤー・オパール」は、赤地に橙赤色の輝きを持っています。ジョゼフィーズ・ド・ボアルネ: Joséphine de Beauharnais (ナポレオン1世の最初の妻) は、『トロイの炎上 (Fire of Troy)』と呼ばれる見事なファイヤー・オパールを所有していました。

 

765

 

♦ 「クリスタル・オパール」は、透明または不透明で、多彩ではっきりとした色合いです。ブラック・クリスタル・オパールは、暗い色の地の透明なオパールです(台は黒くありません) 。

Crystal Opal

 

♦ 「コモンオパール」は、ほとんど輝きのない乳白色です。

 

opal common

 

♦ 「オパール・マトリックス」は、オパールが形成された石の断片と結合したものです。

 

7659

 

II歴史と出所

 

1- 東ヨーロッパ

 

ローマ帝国時代にスロバキアで発見され、産出地はDubnika (スロバキア) の近くで19世紀まで唯一の産出地でした。この鉱山は1920年まで操業され、オーストラリアでオパールが発見されるまでは、ここが主要発掘場所だったのです。ここで発掘された「ノーブル・オパール」は「ハンガリー・オパール」と名付けられましたがこの生産が重要視されたことは一度もありませんでした。ここで見つかるオパールは、乳白色の地に色のついた小さな点 (ピンファイヤー) が入ったものがほとんどで、時々、マトリックスが見つかり、王族の宝石に使われたものもありました。この鉱山は長年閉鎖され、時々数個が売りに出されるだけです。ここで見つかるオパールの質と美しさはオーストラリアのオパールに比べかなり低いものでした。

 

Oplas slovakia

 

2- メキシコ

ケレタロ州がオパールの主要産地です (ファイヤーとハーレクイン)。産出オパールの大部分は「ファイヤー・オパール」です。このファイヤー・オパールはアステカ族 (1325〜1521年) が利用していました。シカゴ自然史博物館には、世界で最も有名なオパールの1つ『太陽神 (Sun God)』が所蔵されています。これは、16世紀のメキシコの寺にあったもので、コロンブス文明前にこの宝石がいかに重要であったかを示しています。征服後、メキシコのオパール鉱脈は世間から忘れ去られました。ケレタロの鉱山は1855年に再発見されます。

SONY DSC

 

3- オーストラリア

1875年、クイーンズランド・オパールが発見されました。1889年に、ロンドンのハットン (Hatton) の宝石商だった Hasluck兄弟が、この新種のオパールにチャンスを与えました。その後、オーストラリアのニューサウスウェールズ州ホワイト・クリフス (White Cliffs) でハーレクイン・オパールが発見されました。そして、ロンドンでオパールの販売が成功を収め、美しいハーレクイン・オパールで有名なホワイト・クリフス鉱山の生産が可能になりました。

1902年、ライトニング・リッジ (Lightning Ridge) で水脈を見つけるために井戸を掘っていた際に、最初のブラック・ストーンが見つかり、1903年にライトニング・リッジで最初のオパール・ラッシュが起こりました。2度目のラッシュは1909年に起こり、1400名の鉱山労働者が関わりました。

ライトニング・リッジは人気の高いブラック・オパールの世界唯一の産出地です。5〜7mの深さにある約1m幅の粘土層の中に見つかります。

Aurora Australis

 

1938年にオーストラリアのサウスニューウェールズ州ライトニング・リッジで、世界最高値のブラック・オパールである「オーロラ・オーストラリア」が見つかりました。このオパールは 180 カラットで、黒地に赤、緑、青のハーレクイーン・パターンがあります。

Lightning_Ridge_black_Opal

 

III加工と偽物

 

1- 染色

ブラック・オパールを生産するために、とりわけ1920年以降は、オニキスの染色と同様の加工手法が使われました (砂糖水に漬けた後、酸をかけ、オパールの色を暗くする)

オパールにはポリエステルが添加されることもあります。

2 –人工オパール

1974年に、ギルソン (Gilson)  が本物に非常に近いハーレクインとブラック人工オパール (すなわち、青、緑、赤色) を流通させました。

この人工オパールは、日本 (京セラ、イナモリ) やロシアでも作られています。プラスチックと合成されるものもあります。1980年以降、日本のある会社が、コンパクトポリマーで適切な直径のスチレン粒子で構成された非常に優れた模造品を生産しています。

 

synthetic

 

3 –ダブレットとトリプレット

 

opal-solid-doublet-triplet のコピー

 

- ダブレット : 低質のオパール・マトリックスや暗い色の玉髄(ぎょくずい) の黒い接着台の上に 真っ平らなカボション・カットのノーブル・オパールが 張られています。

 

doublet-opals のコピー

 

1.80ct-opal-doublet12.47-ct-opal-doublet

- トリプレット : 黒い台 (マトリックス・オパールか暗色の玉髄) の上に平らなノーブル・オパールが張られ、その上にレンズとして、カボション・ロック・クリスタルか人工スピネルが乗せられています。

triplet-opals のコピー

 

- 合成物 : ガラスやプラスチック上に小さな天然または人工のオパールが埋め込まれています。

 

IV – まとめ

 

Bague opale

 1920年以前のアンティーク・ジュエリーにあしらわれた素敵なオパールを見つけた場合、通常、オパールには何の加工も施されていません。しかし、オパールは常にオリジナルなものとは限らないので注意が必要です。アンティーク・ジュエリーにモダンなオパールを据え付けるディーラーもいます。1910〜1930年物のジュエリーに据え付けられたモダンなダブレットや人工オパールを目にしたことがありますが、この場合は台のみが古い本物でした。 非常に素晴らしいオパール石を見つけたら、石がオリジナルであることを確認するため、台の縁を注意深く観察し、疑わしい場合は、その宝石が高価なものである場合はディーラーに宝石鑑定書の発行を頼む事をお薦めします。

Certificatblack opal

10ct ブラックオパール 鑑定書付き

 

仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話    080-3364-3978
仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス  antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら

アンティークレッスン 中世の金の指輪 No2 〜実際の真贋例について〜


アンティークレッスン 中世の金の指輪 No2 〜実際の真贋例について〜

 

中世の指輪のアンティークレッスンNo2は実際の真贋例をご紹介したいと思います。中世の指輪は非常に稀ですが、夢をみられるドリームピースとして中世のアートコレクターの間でとても人気があります。しかし、市場には沢山フェイクのリングが存在しているので、夢を大切にする為にも是非気をつけて頂きたいと思っています。

中世への情熱はロマン主義時代 (19世紀前半) に出現し、1852年にロンドンでヴィクトリア&アルバート博物館が開館、1853年にフランスでは、アレクサンドル・デュ・ソンムラール (Alexandre du Sommerard) のコレクションを集めたクリュニー中世美術館が開館しました。

多くの芸術家、画家、彫刻家、宝石職人 (イタリアのカステラーニ、フランスのフロマン=ムーリスやフォントネ、ヴィエーズなど) が中世の作品からインスピレーションを得ました。それがネオ・ゴシック様式です。

同時に、多くのアートコレクターが本物の中世芸術作品を探し始めます、これらのコレクターの一部は特にゴールドリングを探し求めていましたが、彼らはすぐに、中世のゴールドリングは本当に稀であることを知ります。

なぜなら、中世ヨーロッパではゴールドや宝石は非常に稀少であり、そのリングを購入し着用できる人は非常に限られていました、加えて、貴族以外の人々がゴールドジュエリーを身につけることを禁じる数々の法律が国王により制定されていたからです。

キリスト教時代の間、古代とは異なり、司教と修道院長以外は亡くなった人は誰もジュエリーと共に埋葬されませんでした。 司教と修道院長以外はジュエリーと共に埋葬することは教会の法律により禁止されていたのです。

中世時代、流行が変わると、人々は古いジュエリーのゴールドや原石を利用して新しいジュエリーを作り始めました。新しい流行にあわせて新しく作れるだけのゴールドや宝石がなかった為で、それだけ金や宝石が貴重だったからです。

戦争やその他の危機的な時代の最中、人々は生き延びるためにゴールドを使う必要があり、ゴールドを鋳造しました。国王でさえ、新しい金貨を作るためにゴールドを手に入れるため、ジュエリーを鋳造する必要があったのです。

現在中世のゴールドジュエリーを見つけるのが非常に難しいのはこれら理由からです。

現在まで残っている本物のゴールドジュエリーが保存されていた場所には3種類あります。

1  司教や修道院長の墓に入っていたもの

これらの墓は隠されていなかったので、革命時代 (フランス) と19世紀に考古学者によって開けられ、これらのリングは古いコレクションに保管されていました。パブリックコレクションでも、プライベートコレクション (フランスのギユー [Guillou] やピション [Pichon] コレクションなど) でも、これらのリングは通常、コレクションの出所が分かります。

2  地中で失われたもの

これらは状態の悪いものが多いですが、川や池で失われたものはコンディションが良好です。これらには特別な優しいパティナが見られます。

3 秘蔵品から発見されたもの

家屋の壁の中や陶器の中に隠されていたもの。この場合はコンディションが良好です。しかし、これらは非常にまれで、市民所有のもの(司教や修道院長のためではなく)なので、どちらかと言えば小さい作品が多いです。

Thetford

 THETFORD 秘蔵品 (イングランド、ノーフォーク)

 

本物のリングは稀少過ぎて、今も昔も収集家の需要を満たすことが出来ずに、19世紀から現在に至るまでフェイクメーカーによるフェイクリングの製造が始まりました。

フェイクメーカーは、博物館所蔵の本物の作品からインスピレーションを得ていますが、自ら特別モデルを想像することもあります。

19世紀には、とても良く出来たフェイクが作られましたが、中世と同じ品質のゴールドを使っておらず、ほとんどのリングには18金ゴールドが使われています。

現在では、フェイクメーカーは古いゴールドの使用を好み、特にカラット数の高いゴールド (22金など)を使っています。しかし、現在では優れた作品を作る事はできないので、編み込みリングやパンチ模様のバイキング・リング (このフェイクリングは現在、イングランドにはたくさん存在します)、または複製が簡単なあぶみ型リングなど、もっともシンプルな形のものを複製しています。

これらのリングがフェイクか否かの判断は、古いリングを研究している専門家には可能です。リングのモデルがシンプルであればある程、フェイクである可能性も高くなります。。。

bishop3

bishop2

デンマーク国立博物館の司教の素晴らしいリング2点

この二つのリングは特に美しい作品ですが、フェイクではこのような本当に優れたリングを作るのは難しいです、そして通常非常に珍しいタイプのモデルのリングを至る所で見つけた場合はそれはおそらくフェイクです。

実際に中世の金の指輪でフェイクが多い事がわかる、分かりやすい例を写真とともに掲載します。

バイキングのアーティファクトは非常に稀です。博物館にもゴールドリングはほとんどありませんが、バイキングリングと呼ばれている作品はアートマーケットで簡単に見つかります。博物館でも滅多に所有していない作品が市場に簡単に出回っている事自体が不自然であり得ない事ですから、これはそれだけフェイクが多く出回っているということです。

それでは目を鍛える為に博物館所有の本物と、本物の作品を真似た近代のフェイクと思われる作品を紹介します。 まずは本物から、、。

〜バイキングリングの本物〜

yorkshire

ヨークシャー博物館 (Yorkshire Muséum)

Yorkshire museum

ヨークシャー博物館 (Yorkshire Museum)

Fladda-chùinn, Inner Hebrides

スコットランド、インナー・ヘブリディーズ (Inner Hebrides) で発見されたもの

Warwickshire 10e

イングランド、ウォリックシャー (Warwickshire) で発見されたもの

DCM viking

イングランドの地中で発見されたもの

Danish National Museum

 デンマーク国立博物館

 British Museum

大英博物館

viking found

地中で発見された本物のバイキング・リング、プライベートコレクション

viking2

viking 4

ブロンズリングの本物

それではここからは市場に出ているバイキングリングのフェイクの可能性が極めて高い作品を掲載します。 同じようなモデルが沢山存在しすぎていることが不自然です。

〜バイキングリングのフェイクの可能性が極めて高い作品〜

FAKE 6

FAKE 11

FAKE 8

FAKE 12

FAKE 10

FAKE 3

FAKE 9

FAKE 1

FAKE 2

FAKE 5

 

これだけ沢山のフェイクが存在していることに驚かれた方もいらっしゃると思います。やはりフェイクは、需要が高く、数が少なく、高価な作品で、作りやすい造形の場合は作られてしまいます。ですが、例えば簡単なところでは、よくあるフェイクのモデルを覚えておけば実際に気を付けることができますし、作品の見方も変わってくると思います。

 

〜フェイクバイキングリングのアートマーケットでの例〜

 

あるバイキングのリングの真贋に関してお客様からご質問を頂きました。そのリングは一目見ただけでフェイクの可能性が非常に高いとわかるリングでした。

フェイクジュエリーが沢山紹介されているe-bayのサイトで、ご質問頂いたバイキングのリングと細部まで酷似したリングを見つけましたので(おそらく同じフェイクメーカーが作成したリングだと思います)、参考画像として掲載いたします。この画像を元に、このリングについて詳しくご説明させて頂きます。

4

このリングです。10世紀〜12世紀のバイキングリングとして約2300ポンドで掲載されていました。

フェイクジュエリーを見慣れていないとわからないと思いますが、全体のバランスや作り、摩耗等、見た瞬間に、、、目を覆いたくなるようなリングです、、、。

古代の作品の真贋については、経験を積んだ専門家の場合は、作品のモデルやあまりにも作りの悪いフェイク、人為的に作られた摩耗の種類によっては写真の段階でわかります。そして、写真の段階でわからない作品のみ必ず手に取って確認する必要があります。

まず、この作品の作りを見てみましょう。特にシャンクに巻き付いたスパイラル状の装飾がボテッとしていること、これがフェイクと疑う理由の一つです、このボリュームの本物のスパイラルリングの装飾は先に向かって細くなる作りだからです。

1

次に、フェイクを見慣れていれば写真でもわかりますが、凹凸のある箇所や細かな隙間まで全体の摩耗の仕方がどこも均一で極めて不自然です。フェイクメーカーが作品を古びたように見せるために、人為的に酸に浸けて作る典型的なフェイクの摩耗である可能性が非常に高い事を示しています。また古代のリングの金属の質の判定は意味がありません、古代の金を使ってフェイクを作る事もあるからです。

2

3

ピンぼけで申し訳ありませんが、表面の拡大です。

しかし、このリングの場合は1枚目と2枚目の写真でフェイクの可能性が非常に高いと判断するのに十分です。
113

〜もう一つ、フェイクの可能性が極めて高い作品を見つけましたので、掲載いたします。シルバー製のバイキングリングとしてe-bayに掲載されていた作品、約1300ポンドで販売されていました。〜

 

そして、このゴールドリングがバイキングの10世紀〜12世紀の作品である、という年代の説明にも誤りがあります。

 

BAG-4120_1

このダブルスパイラルリングのデザインはバイキングとよく勘違いされていますが、実際は古代ローマ時代、古代ローマ1世紀〜2世紀によく見られたデザインです。

このスパイラルの指輪のデザインが主に古代ローマ1世紀〜2世紀である事は、フランス国立科学研究センター (CNRS) の公式ウェブサイトで、多くの例が確認できます。一つの例が中世において作成されていた事がわかっていますが、それは東フランスで発見されています。

以下は、このダブルスパイラル型のリングが発見された場所の公式な記録です。

1-2: Alise-Ste-Reine, Alésia (21), sans num. et inv. II-571 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°59, 60)
3: Aspiran, St-Bézard (34), fouilles S. Mauné, 2013, us 7939
4: Doubs, La Grande Oye (25), sép. 301 [enfant de 2 ou 3 ans]; Musée de Pontarlier (Hadjadj 2007, p.150, n°98)
5: Le Langon, Les Ouches (85), c. 1/50 (fouilles I. Bertrand [1985])
6: Lewarde, Les Terres Noires (59), sond. 1, niveau 1 (Demolon 1979, fig.11, n°130)
7: Mâlain, La Boussière (21), inv. 1979.293 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°61)
8: Prov. inconnue; Nîmes, Musée Archéologique (Tendille 1980, fig.4, n°29; Tendille 1988, n°69)
9: Niort, Prieuré St-Martin (79), tbe 199, 500/600 (Cat. Poitiers 1989, p.108, n°110)
10: Nuits-St-Georges, Les Bolards (21) (Sautot 1977, pl.XV, n°11)
11: Nuits-St-Georges, Les Bolards (21); Dijon, Musée Archéologique, inv. 7137 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°62)
12: Vieux, Les Gaudines (14) (Couanon, Forfait 1991, Fig.6, n°3)

続いて以下は、このダブルスパイラルリングが古代ローマ作品として掲載されている書物の一覧です。これらのリングは青銅、銀または金製で、フランスや英国の遺跡で発見され、特にスパイラル模様が2つ施されているものは、主に古代ローマ1世紀から2世紀である、との正確な年代が明らかにされています。

Catalogue d’exposition “Romains et barbares entre Loire et Gironde – IVe-Xe siècles (Musée de Poitiers, 1989-1990), Poitiers 1989.

P. Couanon, N. Forfait, Les Gaudines (Vieux, Calvados), Synthèse provisoire. SRA Basse-Normandie, janvier 1991.

P. Demolon, M. Tuffreau-Libre, A. Vadet, Le site gallo-romain des “Terres Noires” à Lewarde (Nord). Revue du Nord LXI, n°243, oct.-déc. 1979, 873-922.

H. Guiraud, Bagues et anneaux à l’époque romaine en Gaule. Gallia 46, 1989, 173-211.

F. Henkel, Die römischen Fingerringe der Rheinlande und der benachbarten Gebiete, Berlin 1913

M.-L. Espiau de Lamaestre, Bijoux gallo-romains, objets et représentations. Mémoire de Maîtrise, Université de Dijon, 1980.

M.-C. Sautot, Une collection d’objets de bronze provenant des Bolards (Côte-d’Or). Revue Archéol. de l’Est et du Centre-Est 28, 1977, 285-349.

C. Tendille, Mobiliers métalliques protohistoriques de la région nîmoise : autres objets de parure et d’habillement (III). Doc. Arch. Mérid. 3, 1980, 95-124.

C. Tendille, Objets métalliques de la protohistoire au Musée Archéologique de Nîmes (Cah. Mus. Mon. Nîmois, 5), Nîmes 1988.

 

NAC SF-88F701 NAC SF-88F701dwg

 

そしてイギリスの遺物発掘データベース Portable Antiquities Schemeでもダブルスパイラルリングが古代ローマ作品であるとされています。

 

128655734020101008_FingerRing_e_60pc

この作品は少しダブルスパイラルリングと似ていますが、この作品もバイキングではなく、UK DETECTOR FINDS DATEBASEにてアングロサクソン5世紀〜6世紀とされています。

 

photo-11

少しデザインが入ったタイプの古代ローマ3世紀のリングです。モチーフは竪琴を持つアポロ。

photo-10

この作品も、同じく古代ローマ3世紀のモチーフが少し入ったタイプのデザインでモチーフはクピド。両方ともデザインが入ったタイプですが、モチーフの神はアポロとクピドの古代ローマの神です、北欧神話のオーディーンやトールではありません!

このように古代のフェイクジュエリーである可能性が非常に高い作品が、安くはない価格で販売されている事が多くあります。

古代作品を売るディーラーは、証拠の無い言葉による説明だけではなく、その作品が本当に古代の作品であるという具体的な証拠を示す必要があります、例えば、専門家による鑑定書などがあると安心でしょう。これだけ古代作品のフェイクが沢山ありますから、購入する側も、売り手の根拠のない言葉だけを信じず、具体的な証拠を求めるようにしましょう。

その鑑定書も、誰が書いたものでも良いというわけではなく、誰が書いたかがとても重要になります。

考古学の専門家というのは、美術館でキュレーターの経験があったり、歴史的な専門分野を修めた学者や、しっかりした専門的な著書がある人物の事です。もし、本当に著名な専門家が発行する鑑定書なら、より安心できるでしょう。ただ、専門家らしく見える人物が、金銭的な事の為にそれらしい鑑定書を発行する場合があるので、その人物が本当に信用に足るかどうかを調べる事はとても重要です。

ソレイユで古代作品をお買い求め頂く方には、ご希望の場合は、各分野の専門家の鑑定書を発行する事が可能です。この専門家達はソルボンヌとエコール・デュ・ルーブルで考古学を学びディプロムがあり、フランスでもっとも入学が難しい歴史のグランゼコール、エコールナショナル・デ・シャルトを卒業しています。また、科学的な考古学の専門書を数冊発行し、フランスのオークショナーへ真贋のアドバイスをしているエキスパートです。

 

次は、土中から発見された作品だから本物である、と説明されている場合についてお話します。

 

unnamed-1

〜この本物の古代の作品はブザンソン (フランス) にある古代ローマの神殿の地下から発見され、右上のスパイラル模様が1つ施されているリングは紀元15年のものとされています。(ブザンソン博物館)〜

 

土中から発見されたから本物の作品である、と説明されている場合に確認しておくべき事を説明します。土中から作品が発見される主なシチュエーションとしては2種類あります。

1、専門家による考古学的探索による発掘。

2、偶然や個人的趣味の金属探知機などによる発掘。(国によっては違法です、専門家は違法の発掘を嫌います。)

専門家による考古学的探索によって発掘された作品は、考古学的環境を守る為に、鑑定され、希少な作品として美術館、博物館へ収蔵されます、アートマーケットへ流れる事はまずありません。それは、貴重な考古学的環境を壊す事になるからです。

次に、個人的趣味による金属探知機などによる発掘は、国によっては違法です、そして、この場合は個人的趣味で行っていますから、結果として考古学的環境を壊す事になります。

例えば、イギリスで作品を土中から発見した場合、イギリス政府の考古学的な遺物発見データベースへ申し出る事が出来ます。その作品が何であるのかを調べて確実にする為と、またはその希少な作品の考古学的環境を守るために Portable Antiquities Scheme にて記録されます。(このサイトは大英博物館とリンクしています)そして下記がその例です。

unnamed-2

〜スパイラル模様が1つ施されているこのリングは、マンチェスター近郊で発見され (2006年3月6日)、専門家リチャード・ホブス教授により (大英博物館古代ローマ英国コレクションキュレーター、先史時代 & ヨーロッパ) 紀元前1~2年の古代ローマのものと鑑定されています〜

 

こちらは土中から発掘された作品が地図と一緒に見られるデータベースのページです。この記録があれば、その作品が正式に古代の作品であると認められます。なぜイギリス政府がこのシステムを推奨しているかというと、土中から見つかった作品を資料として記録する事が出来る事と、その作品が素晴らしい場合は、美術館がそのまま買い上げる事が出来るからです。

http://finds.org.uk/database

 

土中から発掘されたと言われている作品の場合は、上記のような記録が実際にあるかどうかを確認する事も大切です。このような記録は、その作品が本当に土中から発掘されたという事を示す事が出来て、価値が高められる為に、販売目的であるなら記録をする事が殆どだからです。

このような記録がない場合、フェイクを売るために、土中から発掘されたから本物である、と説明している場合もありますから、まずは記録を確認する事も大切です。

 

主にイギリスでは、こうした個人での遺物発掘や、古代のフェイクジュエリーが多数生産されている事が問題になっており、英国ニュースBBC等でも話されています。

 

英国放送協会(BBC)のニュース(http://news.bbc.co.uk/2/mobile/uk_news/6271879.stm )より、

 

« Under the Treasure Act 1996, people who find gold and silver objects more then 300 years old have a legal obligation to report them to the authorities. Despite the act, thousands of items claiming to be treasure appear on auction websites. MANY OF THESE ITEMS WERE FAKE, a spokesman for the National Council for Metal Detecting said. »

 埋蔵物法(1996年)に従い、300年以上を遡る金及び銀の対象物を発掘した者は、それらを関係当局に届け出るという法律上の義務を有する。この法律にかかわらず、数千にものぼる埋蔵物文化財であるとされる埋蔵物がオークションのウェブサイト上で出品されています。これらの品目の多くは偽造品です。金属探知評議会の代表者はこうコメントしています。

埋蔵物の発掘に関して英国の法律より

« Treasure is defined by the law as any gold or silver objects, or coins, more than 300 years old which were hidden. Under the 1996 Treasure Act, any treasure found in England and Wales belongs to the Crown. Anyone who finds a treasure must report it to the local coroner within 14 days of discovery. If they don’t, they risk a three-month jail sentence or a £5,000 fine. If an inquest declares that a find is treasure, it is offered to the British Museum or a local museum who has it officially valued by an independent board of antiquities experts. If they want the find, they must pay the market value of the treasure to the finder and/or landowner. If they don’t, the finder can keep it. »

300年以上遡って埋蔵されていた金もしくは銀の対象物または硬貨はすべて、法律により埋蔵物文化財として定義される。埋蔵物法(1996年)に従い、イングランド及びウェールズにおいて発掘されたいかなる埋蔵物文化財も国王の所有物である。埋蔵物を発掘したすべての者は、発掘から14日以内に地域の埋蔵物調査官にその旨を届け出なければならない。その履行を怠った場合、3か月の実刑判決、もしくは5,000ポンドの罰金に処される恐れがある。調査によって発掘品が埋蔵物文化財であると判断された場合には、大英博物館もしくは地域博物館へ提供し、そこで独自の古代遺物委員会の専門家が正式に鑑定を行う。そこで埋蔵物文化財が所有される場合には、埋蔵物文化財の市場価格を発掘者及び/もしくは土地所有者へ支払わなければならない。履行を怠れば発掘者が埋蔵物文化財を保有する。

土中から古代のジュエリーを発見した場合、シリアスな人物であれば、大英博物館等へ行き貴重な作品について、今後どうしたら良いか専門家のアドバイスを聞くのではないでしょうか。土中から発掘したというジュエリーを所有している人物が、専門家に見せる前に販売しようとしている場合は、注意をした方が良いでしょう。

古い作品を手に入れるのはそれほど簡単な事ではありませんから、いつか古い作品を購入したいとお考えの方は、よく気をつけてじっくり選んで頂きたいと思います。

 

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話    080-3364-3978
仏電話番号   0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス  antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら