アンティークレッスン 中世の金の指輪 No2 〜実際の真贋例について〜


アンティークレッスン 中世の金の指輪 No2 〜実際の真贋例について〜

 

中世の指輪のアンティークレッスンNo2は実際の真贋例をご紹介したいと思います。中世の指輪は非常に稀ですが、夢をみられるドリームピースとして中世のアートコレクターの間でとても人気があります。しかし、市場には沢山フェイクのリングが存在しているので、夢を大切にする為にも是非気をつけて頂きたいと思っています。

中世への情熱はロマン主義時代 (19世紀前半) に出現し、1852年にロンドンでヴィクトリア&アルバート博物館が開館、1853年にフランスでは、アレクサンドル・デュ・ソンムラール (Alexandre du Sommerard) のコレクションを集めたクリュニー中世美術館が開館しました。

多くの芸術家、画家、彫刻家、宝石職人 (イタリアのカステラーニ、フランスのフロマン=ムーリスやフォントネ、ヴィエーズなど) が中世の作品からインスピレーションを得ました。それがネオ・ゴシック様式です。

同時に、多くのアートコレクターが本物の中世芸術作品を探し始めます、これらのコレクターの一部は特にゴールドリングを探し求めていましたが、彼らはすぐに、中世のゴールドリングは本当に稀であることを知ります。

なぜなら、中世ヨーロッパではゴールドや宝石は非常に稀少であり、そのリングを購入し着用できる人は非常に限られていました、加えて、貴族以外の人々がゴールドジュエリーを身につけることを禁じる数々の法律が国王により制定されていたからです。

キリスト教時代の間、古代とは異なり、司教と修道院長以外は亡くなった人は誰もジュエリーと共に埋葬されませんでした。 司教と修道院長以外はジュエリーと共に埋葬することは教会の法律により禁止されていたのです。

中世時代、流行が変わると、人々は古いジュエリーのゴールドや原石を利用して新しいジュエリーを作り始めました。新しい流行にあわせて新しく作れるだけのゴールドや宝石がなかった為で、それだけ金や宝石が貴重だったからです。

戦争やその他の危機的な時代の最中、人々は生き延びるためにゴールドを使う必要があり、ゴールドを鋳造しました。国王でさえ、新しい金貨を作るためにゴールドを手に入れるため、ジュエリーを鋳造する必要があったのです。

現在中世のゴールドジュエリーを見つけるのが非常に難しいのはこれら理由からです。

現在まで残っている本物のゴールドジュエリーが保存されていた場所には3種類あります。

1  司教や修道院長の墓に入っていたもの

これらの墓は隠されていなかったので、革命時代 (フランス) と19世紀に考古学者によって開けられ、これらのリングは古いコレクションに保管されていました。パブリックコレクションでも、プライベートコレクション (フランスのギユー [Guillou] やピション [Pichon] コレクションなど) でも、これらのリングは通常、コレクションの出所が分かります。

2  地中で失われたもの

これらは状態の悪いものが多いですが、川や池で失われたものはコンディションが良好です。これらには特別な優しいパティナが見られます。

3 秘蔵品から発見されたもの

家屋の壁の中や陶器の中に隠されていたもの。この場合はコンディションが良好です。しかし、これらは非常にまれで、市民所有のもの(司教や修道院長のためではなく)なので、どちらかと言えば小さい作品が多いです。

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 THETFORD 秘蔵品 (イングランド、ノーフォーク)

 

本物のリングは稀少過ぎて、今も昔も収集家の需要を満たすことが出来ずに、19世紀から現在に至るまでフェイクメーカーによるフェイクリングの製造が始まりました。

フェイクメーカーは、博物館所蔵の本物の作品からインスピレーションを得ていますが、自ら特別モデルを想像することもあります。

19世紀には、とても良く出来たフェイクが作られましたが、中世と同じ品質のゴールドを使っておらず、ほとんどのリングには18金ゴールドが使われています。

現在では、フェイクメーカーは古いゴールドの使用を好み、特にカラット数の高いゴールド (22金など)を使っています。しかし、現在では優れた作品を作る事はできないので、編み込みリングやパンチ模様のバイキング・リング (このフェイクリングは現在、イングランドにはたくさん存在します)、または複製が簡単なあぶみ型リングなど、もっともシンプルな形のものを複製しています。

これらのリングがフェイクか否かの判断は、古いリングを研究している専門家には可能です。リングのモデルがシンプルであればある程、フェイクである可能性も高くなります。。。

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デンマーク国立博物館の司教の素晴らしいリング2点

この二つのリングは特に美しい作品ですが、フェイクではこのような本当に優れたリングを作るのは難しいです、そして通常非常に珍しいタイプのモデルのリングを至る所で見つけた場合はそれはおそらくフェイクです。

実際に中世の金の指輪でフェイクが多い事がわかる、分かりやすい例を写真とともに掲載します。

バイキングのアーティファクトは非常に稀です。博物館にもゴールドリングはほとんどありませんが、バイキングリングと呼ばれている作品はアートマーケットで簡単に見つかります。博物館でも滅多に所有していない作品が市場に簡単に出回っている事自体が不自然であり得ない事ですから、これはそれだけフェイクが多く出回っているということです。

それでは目を鍛える為に博物館所有の本物と、本物の作品を真似た近代のフェイクと思われる作品を紹介します。 まずは本物から、、。

〜バイキングリングの本物〜

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ヨークシャー博物館 (Yorkshire Muséum)

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ヨークシャー博物館 (Yorkshire Museum)

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スコットランド、インナー・ヘブリディーズ (Inner Hebrides) で発見されたもの

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イングランド、ウォリックシャー (Warwickshire) で発見されたもの

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イングランドの地中で発見されたもの

Danish National Museum

 デンマーク国立博物館

 British Museum

大英博物館

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地中で発見された本物のバイキング・リング、プライベートコレクション

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ブロンズリングの本物

それではここからは市場に出ているバイキングリングのフェイクの可能性が極めて高い作品を掲載します。 同じようなモデルが沢山存在しすぎていることが不自然です。

〜バイキングリングのフェイクの可能性が極めて高い作品〜

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FAKE 3

FAKE 9

FAKE 1

FAKE 2

FAKE 5

 

これだけ沢山のフェイクが存在していることに驚かれた方もいらっしゃると思います。やはりフェイクは、需要が高く、数が少なく、高価な作品で、作りやすい造形の場合は作られてしまいます。ですが、例えば簡単なところでは、よくあるフェイクのモデルを覚えておけば実際に気を付けることができますし、作品の見方も変わってくると思います。

 

〜フェイクバイキングリングのアートマーケットでの例〜

 

あるバイキングのリングの真贋に関してお客様からご質問を頂きました。そのリングは一目見ただけでフェイクの可能性が非常に高いとわかるリングでした。

フェイクジュエリーが沢山紹介されているe-bayのサイトで、ご質問頂いたバイキングのリングと細部まで酷似したリングを見つけましたので(おそらく同じフェイクメーカーが作成したリングだと思います)、参考画像として掲載いたします。この画像を元に、このリングについて詳しくご説明させて頂きます。

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このリングです。10世紀〜12世紀のバイキングリングとして約2300ポンドで掲載されていました。

フェイクジュエリーを見慣れていないとわからないと思いますが、全体のバランスや作り、摩耗等、見た瞬間に、、、目を覆いたくなるようなリングです、、、。

古代の作品の真贋については、経験を積んだ専門家の場合は、作品のモデルやあまりにも作りの悪いフェイク、人為的に作られた摩耗の種類によっては写真の段階でわかります。そして、写真の段階でわからない作品のみ必ず手に取って確認する必要があります。

まず、この作品の作りを見てみましょう。特にシャンクに巻き付いたスパイラル状の装飾がボテッとしていること、これがフェイクと疑う理由の一つです、このボリュームの本物のスパイラルリングの装飾は先に向かって細くなる作りだからです。

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次に、フェイクを見慣れていれば写真でもわかりますが、凹凸のある箇所や細かな隙間まで全体の摩耗の仕方がどこも均一で極めて不自然です。フェイクメーカーが作品を古びたように見せるために、人為的に酸に浸けて作る典型的なフェイクの摩耗である可能性が非常に高い事を示しています。また古代のリングの金属の質の判定は意味がありません、古代の金を使ってフェイクを作る事もあるからです。

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ピンぼけで申し訳ありませんが、表面の拡大です。

しかし、このリングの場合は1枚目と2枚目の写真でフェイクの可能性が非常に高いと判断するのに十分です。
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〜もう一つ、フェイクの可能性が極めて高い作品を見つけましたので、掲載いたします。シルバー製のバイキングリングとしてe-bayに掲載されていた作品、約1300ポンドで販売されていました。〜

 

そして、このゴールドリングがバイキングの10世紀〜12世紀の作品である、という年代の説明にも誤りがあります。

 

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このダブルスパイラルリングのデザインはバイキングとよく勘違いされていますが、実際は古代ローマ時代、古代ローマ1世紀〜2世紀によく見られたデザインです。

このスパイラルの指輪のデザインが主に古代ローマ1世紀〜2世紀である事は、フランス国立科学研究センター (CNRS) の公式ウェブサイトで、多くの例が確認できます。一つの例が中世において作成されていた事がわかっていますが、それは東フランスで発見されています。

以下は、このダブルスパイラル型のリングが発見された場所の公式な記録です。

1-2: Alise-Ste-Reine, Alésia (21), sans num. et inv. II-571 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°59, 60)
3: Aspiran, St-Bézard (34), fouilles S. Mauné, 2013, us 7939
4: Doubs, La Grande Oye (25), sép. 301 [enfant de 2 ou 3 ans]; Musée de Pontarlier (Hadjadj 2007, p.150, n°98)
5: Le Langon, Les Ouches (85), c. 1/50 (fouilles I. Bertrand [1985])
6: Lewarde, Les Terres Noires (59), sond. 1, niveau 1 (Demolon 1979, fig.11, n°130)
7: Mâlain, La Boussière (21), inv. 1979.293 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°61)
8: Prov. inconnue; Nîmes, Musée Archéologique (Tendille 1980, fig.4, n°29; Tendille 1988, n°69)
9: Niort, Prieuré St-Martin (79), tbe 199, 500/600 (Cat. Poitiers 1989, p.108, n°110)
10: Nuits-St-Georges, Les Bolards (21) (Sautot 1977, pl.XV, n°11)
11: Nuits-St-Georges, Les Bolards (21); Dijon, Musée Archéologique, inv. 7137 (Lamaestre 1980, p.77, pl.XIV, n°62)
12: Vieux, Les Gaudines (14) (Couanon, Forfait 1991, Fig.6, n°3)

続いて以下は、このダブルスパイラルリングが古代ローマ作品として掲載されている書物の一覧です。これらのリングは青銅、銀または金製で、フランスや英国の遺跡で発見され、特にスパイラル模様が2つ施されているものは、主に古代ローマ1世紀から2世紀である、との正確な年代が明らかにされています。

Catalogue d’exposition “Romains et barbares entre Loire et Gironde – IVe-Xe siècles (Musée de Poitiers, 1989-1990), Poitiers 1989.

P. Couanon, N. Forfait, Les Gaudines (Vieux, Calvados), Synthèse provisoire. SRA Basse-Normandie, janvier 1991.

P. Demolon, M. Tuffreau-Libre, A. Vadet, Le site gallo-romain des “Terres Noires” à Lewarde (Nord). Revue du Nord LXI, n°243, oct.-déc. 1979, 873-922.

H. Guiraud, Bagues et anneaux à l’époque romaine en Gaule. Gallia 46, 1989, 173-211.

F. Henkel, Die römischen Fingerringe der Rheinlande und der benachbarten Gebiete, Berlin 1913

M.-L. Espiau de Lamaestre, Bijoux gallo-romains, objets et représentations. Mémoire de Maîtrise, Université de Dijon, 1980.

M.-C. Sautot, Une collection d’objets de bronze provenant des Bolards (Côte-d’Or). Revue Archéol. de l’Est et du Centre-Est 28, 1977, 285-349.

C. Tendille, Mobiliers métalliques protohistoriques de la région nîmoise : autres objets de parure et d’habillement (III). Doc. Arch. Mérid. 3, 1980, 95-124.

C. Tendille, Objets métalliques de la protohistoire au Musée Archéologique de Nîmes (Cah. Mus. Mon. Nîmois, 5), Nîmes 1988.

 

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そしてイギリスの遺物発掘データベース Portable Antiquities Schemeでもダブルスパイラルリングが古代ローマ作品であるとされています。

 

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この作品は少しダブルスパイラルリングと似ていますが、この作品もバイキングではなく、UK DETECTOR FINDS DATEBASEにてアングロサクソン5世紀〜6世紀とされています。

 

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少しデザインが入ったタイプの古代ローマ3世紀のリングです。モチーフは竪琴を持つアポロ。

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この作品も、同じく古代ローマ3世紀のモチーフが少し入ったタイプのデザインでモチーフはクピド。両方ともデザインが入ったタイプですが、モチーフの神はアポロとクピドの古代ローマの神です、北欧神話のオーディーンやトールではありません!

このように古代のフェイクジュエリーである可能性が非常に高い作品が、安くはない価格で販売されている事が多くあります。

古代作品を売るディーラーは、証拠の無い言葉による説明だけではなく、その作品が本当に古代の作品であるという具体的な証拠を示す必要があります、例えば、専門家による鑑定書などがあると安心でしょう。これだけ古代作品のフェイクが沢山ありますから、購入する側も、売り手の根拠のない言葉だけを信じず、具体的な証拠を求めるようにしましょう。

その鑑定書も、誰が書いたものでも良いというわけではなく、誰が書いたかがとても重要になります。

考古学の専門家というのは、美術館でキュレーターの経験があったり、歴史的な専門分野を修めた学者や、しっかりした専門的な著書がある人物の事です。もし、本当に著名な専門家が発行する鑑定書なら、より安心できるでしょう。ただ、専門家らしく見える人物が、金銭的な事の為にそれらしい鑑定書を発行する場合があるので、その人物が本当に信用に足るかどうかを調べる事はとても重要です。

ソレイユで古代作品をお買い求め頂く方には、ご希望の場合は、各分野の専門家の鑑定書を発行する事が可能です。この専門家達はソルボンヌとエコール・デュ・ルーブルで考古学を学びディプロムがあり、フランスでもっとも入学が難しい歴史のグランゼコール、エコールナショナル・デ・シャルトを卒業しています。また、科学的な考古学の専門書を数冊発行し、フランスのオークショナーへ真贋のアドバイスをしているエキスパートです。

 

次は、土中から発見された作品だから本物である、と説明されている場合についてお話します。

 

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〜この本物の古代の作品はブザンソン (フランス) にある古代ローマの神殿の地下から発見され、右上のスパイラル模様が1つ施されているリングは紀元15年のものとされています。(ブザンソン博物館)〜

 

土中から発見されたから本物の作品である、と説明されている場合に確認しておくべき事を説明します。土中から作品が発見される主なシチュエーションとしては2種類あります。

1、専門家による考古学的探索による発掘。

2、偶然や個人的趣味の金属探知機などによる発掘。(国によっては違法です、専門家は違法の発掘を嫌います。)

専門家による考古学的探索によって発掘された作品は、考古学的環境を守る為に、鑑定され、希少な作品として美術館、博物館へ収蔵されます、アートマーケットへ流れる事はまずありません。それは、貴重な考古学的環境を壊す事になるからです。

次に、個人的趣味による金属探知機などによる発掘は、国によっては違法です、そして、この場合は個人的趣味で行っていますから、結果として考古学的環境を壊す事になります。

例えば、イギリスで作品を土中から発見した場合、イギリス政府の考古学的な遺物発見データベースへ申し出る事が出来ます。その作品が何であるのかを調べて確実にする為と、またはその希少な作品の考古学的環境を守るために Portable Antiquities Scheme にて記録されます。(このサイトは大英博物館とリンクしています)そして下記がその例です。

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〜スパイラル模様が1つ施されているこのリングは、マンチェスター近郊で発見され (2006年3月6日)、専門家リチャード・ホブス教授により (大英博物館古代ローマ英国コレクションキュレーター、先史時代 & ヨーロッパ) 紀元前1~2年の古代ローマのものと鑑定されています〜

 

こちらは土中から発掘された作品が地図と一緒に見られるデータベースのページです。この記録があれば、その作品が正式に古代の作品であると認められます。なぜイギリス政府がこのシステムを推奨しているかというと、土中から見つかった作品を資料として記録する事が出来る事と、その作品が素晴らしい場合は、美術館がそのまま買い上げる事が出来るからです。

http://finds.org.uk/database

 

土中から発掘されたと言われている作品の場合は、上記のような記録が実際にあるかどうかを確認する事も大切です。このような記録は、その作品が本当に土中から発掘されたという事を示す事が出来て、価値が高められる為に、販売目的であるなら記録をする事が殆どだからです。

このような記録がない場合、フェイクを売るために、土中から発掘されたから本物である、と説明している場合もありますから、まずは記録を確認する事も大切です。

 

主にイギリスでは、こうした個人での遺物発掘や、古代のフェイクジュエリーが多数生産されている事が問題になっており、英国ニュースBBC等でも話されています。

 

英国放送協会(BBC)のニュース(http://news.bbc.co.uk/2/mobile/uk_news/6271879.stm )より、

 

« Under the Treasure Act 1996, people who find gold and silver objects more then 300 years old have a legal obligation to report them to the authorities. Despite the act, thousands of items claiming to be treasure appear on auction websites. MANY OF THESE ITEMS WERE FAKE, a spokesman for the National Council for Metal Detecting said. »

 埋蔵物法(1996年)に従い、300年以上を遡る金及び銀の対象物を発掘した者は、それらを関係当局に届け出るという法律上の義務を有する。この法律にかかわらず、数千にものぼる埋蔵物文化財であるとされる埋蔵物がオークションのウェブサイト上で出品されています。これらの品目の多くは偽造品です。金属探知評議会の代表者はこうコメントしています。

埋蔵物の発掘に関して英国の法律より

« Treasure is defined by the law as any gold or silver objects, or coins, more than 300 years old which were hidden. Under the 1996 Treasure Act, any treasure found in England and Wales belongs to the Crown. Anyone who finds a treasure must report it to the local coroner within 14 days of discovery. If they don’t, they risk a three-month jail sentence or a £5,000 fine. If an inquest declares that a find is treasure, it is offered to the British Museum or a local museum who has it officially valued by an independent board of antiquities experts. If they want the find, they must pay the market value of the treasure to the finder and/or landowner. If they don’t, the finder can keep it. »

300年以上遡って埋蔵されていた金もしくは銀の対象物または硬貨はすべて、法律により埋蔵物文化財として定義される。埋蔵物法(1996年)に従い、イングランド及びウェールズにおいて発掘されたいかなる埋蔵物文化財も国王の所有物である。埋蔵物を発掘したすべての者は、発掘から14日以内に地域の埋蔵物調査官にその旨を届け出なければならない。その履行を怠った場合、3か月の実刑判決、もしくは5,000ポンドの罰金に処される恐れがある。調査によって発掘品が埋蔵物文化財であると判断された場合には、大英博物館もしくは地域博物館へ提供し、そこで独自の古代遺物委員会の専門家が正式に鑑定を行う。そこで埋蔵物文化財が所有される場合には、埋蔵物文化財の市場価格を発掘者及び/もしくは土地所有者へ支払わなければならない。履行を怠れば発掘者が埋蔵物文化財を保有する。

土中から古代のジュエリーを発見した場合、シリアスな人物であれば、大英博物館等へ行き貴重な作品について、今後どうしたら良いか専門家のアドバイスを聞くのではないでしょうか。土中から発掘したというジュエリーを所有している人物が、専門家に見せる前に販売しようとしている場合は、注意をした方が良いでしょう。

古い作品を手に入れるのはそれほど簡単な事ではありませんから、いつか古い作品を購入したいとお考えの方は、よく気をつけてじっくり選んで頂きたいと思います。

 

 

 

仙波亜希子 Akiko semba

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リュクサンブール公園の彫刻


 

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パリには緑がいっぱいの素敵な公園が沢山あるので、古代美術のギャラリーを回るついでに公園もよく散歩します。緑の中を散歩をしているとリフレッシュができますし、なにより夜に良く眠れます!お客様のリクエストもあり、リュクサンブール公園の彫刻の写真を撮影してきました、ふかふかの落ち葉をふみしめて歩くのは気持ちが良いですね(^-^)

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このベレー帽のおじさんは、シャルル・ボードレールの彫刻をずーっと眺めていました。。。シャルル・ボードレールに憧れがあるのかもしれないですね。

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ベンチでひと休み!私が持っているバックの紙袋の中身は緊張感溢れるフランス革命時の古い書簡です、いつか興味深い書簡類もご紹介したいなと思っています(^-^)

 

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ロシアのジュエラー Фридрих Христиан Кехли


ロシアのアンティークジュエリーはファベルジェが有名ですが、素晴らしい作品を作っているのはファベルジェだけではありません、ファベルジェではなくても帝室に作品を献上している工房があります。その一つをご紹介致しましょう(^-^)

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ロシア ミニアチュールエッグ Koechly, Friedrich Christian 作(Фридрих Христиан Кехли)

(☆ご売約です、お買い上げありがとうございます。)

このエッグを作成したフレデリック クリスチャン ケーフリがその工房です。

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〜フレデリック クリスチャン ケーフリ (Фридрих Христиан Кехли 1838~1908)〜

ペテルブルグの宝飾工房および金細工ダイヤモンド製品の宝飾店のオーナーであり、

工房は1864年から1909年まで登録が知られています。

ジュエリーを専門とし、1870年ペテルブルグで開催された全ロシア博覧会で銅メダル受賞。

 1898年には商工業施設検査委員に選出され、他に芸術産業協会メンバ-も務めています。

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1900年パリ万博 プチパレ 

1900年のパリ万博にはファベルジェと同じく審査員として出展。

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マリア・フョードロヴナ(アレクサンドル3世妃)Мария Фёдоровна

1902年にはマリア・フョードロヴナ(アレクサンドル3世妃)ご用命の帝室御用達商の指定を受ける。

同時に帝室官房評価委員も拝命。

マリア・フョードロヴナのティアラ

マリア・フョードロヴナのダイアとサファイアのティアラを作成し、

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息子ニコライ2世へのシガレットケース、

帝室プレゼンテーション用の記念ブレスレットなど納品しています。

(マリア・フョードロヴナはデンマーク王室出身、実姉は英国王エドワード7世妃アレクサンドラ、アレクサンドラ妃の結婚記念クラバットピンはこちら(^-^)

1903年Кехли Ф.И & Ф.Ф 商会を設立。

1911年フリードリッヒの息子テオドールの死後閉店。

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フレデリック クリスチャン ケーフリの工房の刻印。

ロシアの刻印はロシア語(キリール文字)とローマ字表記とがありますから、

ロシア作品のアンティークをお持ちの方は是非確認してみて下さい(^-^)

〜ギャラリーで扱っている他のロシア作品をご紹介致します。

品物に刻印されている重要なホールマークの写真も掲載しましたので確認してみて下さいね。〜

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革命前  ロシアブローチ&ペンダント

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ロシア 塩入れ SAZIKOV

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ファベルジェ ナイフ&フォーク

仙波亜希子 Akiko semba

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