アンティークレッスン No4 フェイクアールデコジュエリー編 オニキスリングの真贋例
- 2013年06月26日
- アンティークレッスン
これらはアンティークジュエリーがフェイクか本物かのもっとも重要なポイントです。
1、デザイン
2,作り
3,素材
4,石
5,ホールマーク
6,摩耗の仕方
このポイントは言葉で説明をするのはとても難しいです。質の良い経験と知識だけが真贋の見極めを可能にします。参考画像としてフェイクアンティークジュエリーを作っている工房のカタログかサイトを探しましたが、インターネット上で見付けることはできませんでした、フェイクの工房は高解像度の写真を掲載したり、カタログを作ったりはしたがらないからです。
それほど鮮明な写真ではありませんが、アールデコのオニキスのリングを例に真贋を説明させて頂きたいと思います。
1, まずは簡単な例から、、
上段はフェイクです。デザインも悪いですし、ミルグレーションはモダン、セッティングもぼってりと重くもたついていてモダンです。素材はプラチナではなくホワイトゴールド、石はモダンのカッティング、摩耗の後は見られません、写真には写っていませんがホールマークはありません。
下段は本物です、デザインも良く、セッティングも古く、素材はプラチナ、ダイヤモンドも古いカット、摩耗の跡も見られ、写真には写っていませんがホールマークがあります。
2,より難しい例です。
左はフェイクです。デザインが固く、セッティングもモダン、ダイヤモンドはオールドカットですが、ダイヤのカットが古いからといって本物の証にはなりません、素材はプラチナではなくホワイトゴールド、ベゼル裏の写真を次に掲載しますが、ベゼル裏の作りも悪く、摩耗の跡もありません、写真には写っていませんがホールマークはありません。
右は本物です、デザインも良く、古いセッティングです、ベゼル裏の作りも良いです、素材はプラチナ、ダイヤモンドも古いカット、摩耗の跡も見られます、本物ですがホールマークはありません。
そして、これらリングの裏面も確認して下さい。左がフェイクで右が本物です。裏を見ると分かりやすいと思います。
他の二つの本物のアールデコリングのベゼル裏も掲載しておきますね。よく確認してみてくださいね。
3、では次のリングはどうでしょう?
このリングがフェイクなのは簡単にわかります、デザインも悪く、ミルグレーションもモダン、素材は一部プラチナですが、ロジウムメッキです、摩耗の跡はありません。
4,見分けが難しい例です。
このリングはフェイクですが、見分けるのは難しいと思います。ミルグレーションはそれほど悪くありません、素材はプラチナ、ダイヤモンドはオールドカットですが、センターストーンのセッティングはモダンです、デザインが固すぎるのと、摩耗のあとがありません。そしてこのフェイクアールデコジュエリーを作っている工房もわかっています。
5,悪いポイントが混ざっているけれども本物のリングの場合
このリングにはいくつかの悪い点があります。ミルグレーションが無く、ホワイトゴールドが使われています(セッティングはプラチナです)しかし、この指輪は本物です。デザインが優れていますし、作りも古い作りです、ダイヤモンドも古いカットで、摩耗の跡もあります。そして写真には写っていませんがフランスのホールマークがあります。
6,本物のアールデコのリング達。
これらの3つのリングは100%本物です。バゲットカットダイヤモンドとハイクオリティのカリブレカットのオニキスはフェイクではまず見る事はないでしょう。
7,本物の素晴らしいアールデコのリングの例。
そして、次のリングは文句のつけようがない素晴らしいアールデコの本物のリングです。各ポイントをチェックしてみて下さい
デザインは本当に素晴らしいですし、作りも完璧にアンティークです、裏の作りのオープンワークも美しいですし、石のカットも古いカットです、素材はプラチナでホールマークもきちんと打たれているのが分かります。疑うべきところは見あたりません。
8,それでは次のリングを見てどう感じますか?
この写真をよく見て、今までに説明した事を思い出して感じながら、良いポイント、悪いポイントを確認してみて下さい。
アールデコジュエリーの中にも偽物と本物があると言う事を感じながら、視野を広げるような感覚で考えて見て下さいね。
このリングが本物かフェイクかを知りたい方はお気軽にご連絡下さい。
ホールマークの有無は、経験がなくても分かりやすいチェックポイントだと思います。ホールマークについてのレッスンも掲載していますので是非読んで下さいね。
アンティークレッスンNo7 〜ホールマークの大切さ 金の品質 年代 産地〜
Parisのアンティークディーラー 仙波亜希子 Akiko semba