サインドピース Wiese ヴィエーズ 古代ローマカメオ リング
- 1977年12月30日
- メールマガジン
大変希少で素晴しい19世紀の作品をご紹介致します。芸術家は感性を揺さぶるものに出会うと、それを昇華して新しい作品作りに励みますが、今回ご紹介するこのリングはまさしくそのような作品です。
アーティストの名前はLouis Wiese(ルイ・ヴィエーズ)、19世紀に素晴しい作品を残したフランスの偉大なジュエラーの一族です。このリングの様なスタイルはアーケオロジカルスタイルと呼ばれており、古代遺跡から発掘された金細工やジュエリーにインスピレーションを受けて作られた作品です。この指輪の素晴しいところは、金細工を本物の古代作品に質感まで出来るだけ似せて作らせてあるところと、セットされているカメオが本物の古代ローマの若いヘラクレスの素晴しいカメオであるというところです。本物の古代ローマのカメオをセットしてあるところに、古代作品への情熱、今までに見た事がなかったような古代の金細工に触れて、アーティストとして受けた影響が計り知れないものだったことを感じます。
ジャン・ピエトロ・カンパーナ侯爵
ヴィエーズがインスピレーションを受けた金細工は、ジャン・ピエトロ・カンパーナ侯爵のコレクションであった作品です。
ジャン・ピエトロ・カンパーナ侯爵は、1844年頃にエトルリア南部のカエレでの発掘を始め、彼のエトルリア芸術作品のコレクションは有名になりましたが、あまりの収集への情熱の為に、自身がディレクターでもあったイタリアのモンテ・ディ・ピエタ銀行の資金を収集資金として横領し、刑事強制労働20年と没収刑を受けてしまいます。。。
カンパーナ コレクション
ゴールドフィビュラ 紀元前630年 ルーブル美術館
その後、彼のコレクションは差し押さえられ、サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館から、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館、ニューヨークのメトロポリタン美術館に至るまで、数々の国立美術館に収められ、1861年にはナポレオン3世に買い取られ、ルーブル美術館にも展示されます。
ヴィエーズが手がけたアーケオロジカルスタイルの他の作品がthe belle epoque of french jewelleryというにも掲載されていますので、情熱の結晶を見てみましょう。
ルイ・ヴィエーズ作 カボッションカットの宝石がセットされたブローチ、この作品には特に注目したいと思います。
この金の撚り線を良く見てみると、、
今回のリングと同じ撚り線の装飾が施されていることがわかります。
ヴィエーズは19世紀を代表する優れたジュエラーの一人として、素晴しい作品を多く残し、彼の死後も彼の作品は美しいものを愛する人たちを魅了しています。このアーケオロジカルスタイルのリングは手に持つとずっしりとした素晴しい重みがあり、金の質感はいかにも古の都から発掘されたかのような古代の趣があります、そして本物の古代ローマのカメオがセットされた珍しく、希少な芸術作品なのです。時を超えて残った古代ローマの本物のカメオと、19世紀の芸術家の出会いが一つの作品として昇華され、現代に生きる私たちが、その作品を手に取ることが出来ることを、とても幸せに思います。
古代ローマのカメオのモチーフはヘラクレス、紀元前1世紀〜紀元1世紀の作品です。このような大型の希少な古代ローマのカメオ自体が既に大変素晴しい芸術品ですから、そのカメオがヴィエーズ作のゴールドリングにセットされている、という大変贅沢な指輪でもあります。
べゼルのカメオのセッティングなど、リングは非常に丁寧な作りをしており、手に触れた時も大変心地よい優しい触り心地です。カメオは、半透明のアゲートです。
シャンクには古代風の装飾が施され、フープ部分もずっしりとした重みが感じられる作りです。
仙波亜希子 Akiko semba
お問い合わせ info@antique-gallery-soleil.com
携帯電話 080-3364-3978
仏電話番号 0033(0)9 53 53 51 47
skype アドレス antiquegallerysoleil
メールマガジン Soleil Members お申し込みはこちら