古代のコインから読み取れるカメオのモチーフ
- 2013年08月09日
- アンティークレッスン
美しい19世紀のストーンカメオ、装飾品に特徴があります。ちりばめられた真珠の髪飾り、ネックレス、そして三つ叉にわかれた耳飾りを身に着けています。この三つ叉に別れた特徴的な耳飾りと同じ耳飾りを着けた女性の古代のコインがエルミタージュ美術館所に所蔵されています。
ペルセポネのドラクマ銀貨 エウアイネトス作 紀元前413年〜400年 シチリア シラトゥーズ エルミタージュ美術館所蔵
このコインです。ギリシャコインの中で最も大きなもののひとつであるこのシラクサのドラクマ銀貨には、女神デメテルの娘であり、冥界の神ハデスの妃であるペルセポネが刻まれています。カメオと同じデザインのイヤリングを身に着けている事から、このカメオがペルセポネをモチーフにした事がわかります。ペルセポネは小麦の穂で作った花冠を飾った豊かな髪を持つ若い女性として描かれ、 耳はその豊かな髪に隠されています。これは、ペルセポネが冥界にいる間は地上に豊穣はないということを表現しているのです。またシチリアのオルティージャ島付近に多数生息していたイルカも描かれています。
ペルセポネ 1874年 Dante Gabriel Rossetti テードギャラリーロンドン
古代のコインはその都市に関連する神や神話をモチーフに選ぶ事が多いですが、シチリアのコインにもペルセポネだけではなく他のモチーフとも関連があるようです。
このコインはシラクサの守護妖精であるアレトゥーズの肖像が特徴的な古代シ
アレトゥーサは、アルテミスと同一視される場合があり、
アレトゥーズとはオリンピアの近くで戯れていた水の精の事、
このデザインの硬貨は、
Parisのアンティークディーラー 仙波亜希子 Akiko semba