ルビーの月とダイヤの愛 中世の指輪


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本当に大切なものは目に見えない、、、説得力のある言葉で、そうか〜!と思わせてしまうパワーがあります。そして、目に見えない大切なものの代表は 愛 です!

今回ご紹介する中世の指輪はそれをダイレクトに感じることが出来る素敵な指輪です。この写真をちょっと見てみて下さい、、、外にはいっさい装飾がなく、内側に文字が彫られていますね、この指輪は表に装飾がないので、指にはめると全く普通の金の指輪に見えるのですが、実は内側には愛の言葉が刻まれていて、これが当時の結婚指輪であることがわかるのです、、、目に見えない部分に愛の言葉が刻まれた指輪、とても素敵な指輪だと思いませんか、、?

 

さらに、この指輪の秘密は内側に文字が刻まれているだけではありません、この指輪をクルクル回すと、、、

 

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月の形にカットされたルビーがはめ込まれていました!

中世当時、この月の形の装飾にどんな意味があったのかはわかりません。ですが、以前、このような月型のべゼルにガーネットが留められた中世の指輪を見た事がありました、その指輪と今回の指輪の「月型にセットされた赤い石」という共通点に、同時代のデザインというものは細かな部分でつながりがあることを再確認しました。いったいどのような意味があって使われたでデザインだったのでしょうね、こういったことを想像するのも古のリングの楽しさです。

そして、この指輪にはめられている石は一つではなく、、、

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もう一つ、ハートシェイプの石もはめられていました!この石は写真では見にくいのですが、なんとダイヤモンドです!中世において宝石の希少性は非常に高かった為に、このような小さな石を用意すること自体がとても大変なことでした。希少なダイヤモンドで愛を示す為に内側にセットされたのでしょう。

そして、このハートシェイプ、実は最初から人々の愛情を示す為に使われたマークではありませんでした、、、

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メダイ イエス・キリスト

このハートシェイプの起源は遥か中世にまでさかのぼり、イエス・キリストが自らの心臓を人々への愛として見せることから始まり、、

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ルーブル美術館蔵 タペストリー 1400年頃

徐々にハートモチーフはキリストの愛を表す他にも、人々それぞれの個人的な愛を示す目的でも使われ始めたのです。

 

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13世紀の素晴らしい指輪 ヴィクトリア&アルバート美術館

この指輪のメインストーンもハートシェイプなのがわかりますね、13世紀と古い指輪なので何用の指輪なのか定かではありませんが、今回ご紹介した指輪のように後の時代にハートモチーフが婚約や結婚用のジュエリーとして使われ始める事を考えると、おそらくこれも初期の結婚指輪、婚約指輪だと思われます。

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この指輪は、希少な中世のリングの中でも、とっっっても希少性の高い作品なのです。まず、内側に文字が彫られている指輪は希少です、普通は外側に文字が彫られているからです。

ですが、一番の希少性は、内側に宝石がはめ込まれてること、これに尽きます!!このような作品は今後、まず見つける事はできないでしょう。

外から見ると全く普通の金の指輪、しかし内側には愛の言葉が刻まれ、当時は大変希少だった2つの宝石が留められた指輪、、、2つの宝石の組み合わせにはどんな意味があったのか、、、、希少な宝石を大切な結婚指輪の目に見えないところに留めてあるということから、石自体に宿っていた力を大切に考えていたのでしょうね。

では、全体像をご覧下さい。

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素晴しい佇まいの指輪は、まさに中世の指輪です。手に取れば中世へ想いを馳せることができるでしょう、、。

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夢に溢れた指輪にちなんで、中世の不思議な話をしましょう。この指輪の写真を見てピン!と来た方もいらっしゃると思いますが、この指輪は 映画『ロードオブザリング』 に出てくる重要な指輪です。今回ご紹介した指輪と雰囲気が似ています。ちなみに、よくアンティークの保管方法や扱い方についてご相談を頂きますが、『ロードオブザリング』に出てくる指輪ほど、扱いが大変な指輪はありません、この指輪を持っているとストーカーに狙われたり、指輪を一定時間以上身につけることが難しいなど苦労が絶えないようです。興味のある方で『ロードオブザリング』をまだご覧になったことがない方は素晴しい物語ですから、是非ご覧下さいね。

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『ロードオブザリング』はJ・R・R・トールキン作の『指輪物語』が原作で、指輪のデザインも原作に忠実に再現しています。重要な指輪として選ばれたものが、中世の作品に似たデザインだったことに、いろいろな想像が膨らみます。。

中世にちなんで、もう一つ不思議な話があります。
この物語に出てくる長身で美しい不老のエルフたちは、神秘的な存在として描かれています。

このエルフ達は原作者のトールキンが生み出した架空の人種ですが、実は西洋の古の家系図の中に『エルフ』と名の付く家系があったのです。そこでは、光のエルフ、白いエルフ、黒いエルフとして分けられ、実在していることが確認できるのです、、、、彼らの名前の一部にはエルフという言葉があり、エルフの名を持つ姫が隣国の王と結婚していることもまでも分かります、、、、具体的にどのような人種であったかはわかりませんが、エルフという人種が存在していたことを知った時の衝撃は今も忘れられません。

こうして、膨大な家系図がコンピューターで管理され、さかのぼって過去を知る事が出来るのは、貴族文化の歴史の深い西洋ならではのデータベースが可能にするのです。

最新のコンピューターの前で、古い貴族の家系図を眺めていると、現実と伝説の境目が曖昧になることがあり、本当に不思議な気持ちになります。

中世の結婚指輪 ルビーの月とダイヤの愛

ハイキャラットゴールド ルビー ダイヤ

フランス 15世紀

0,5cm 12号 7,2g

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仙波亜希子 Akiko semba

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