フランスの伝統的なジュエリー 〜サンテスプリ〜

ノルマンディーのジュエリーには、特有の種類とスタイルがあります。その多様な形と製造技術の高さは、昔の統治体制下で金細工職人やジュエリー職人たちの重要な協働体制があったことを示しています。また、19世紀および20世紀には同地方の首都 (ルーアン) や中規模の都市 (ルアーブル、バイユー、アランソン、クタンス、ファレーズ・サンロー)に、実力のあるジュエリー職人がいたことも分かります。サンローの十字架、ルーアンの十字架、十字架の突起、サンテスプリといった、いわゆる伝統的形式の原型が見られるのは、むしろ17世紀や18世紀です。これらの豪華な装飾品は、選ばれた裕福な都市の中でも、特に身分の高い商人や中産階級の人々に使われていました。しかし、19世紀に入ると大衆化が進み、その後、ネックレスや、手の込んだ布地や髪を飾る宝石といった、ファッショナブルなジュエリーに広がっていくのです。

ノルマンディー1760年頃 サンテスプリ

ノルマンディー 18世紀後期 サンテスプリ

« Saint Esprit » (サンテスプリ) は透かし細工の技術が施され、金や銀の骨組みに同じ石が飾られる、ルーアン特有のものです。よいサンプルが、ルーアン近郊の マルタンヴィルの城に設置された« Musée normand des arts et traditions populaires »に、 いくつか保管されています。

マルタンヴィル城

« Saint Esprit »ペンダントには保証マークが付けられた ものもあり、それらは全て 1798 年~1819 年の間に作られたものであることが分かり ます。 このデザインはサンテスプリと呼ばれ、同じ名前の宗教騎士団に由来しています。 この騎士団は 1578 年に国王アンリ 3 世により創設されました。国王は、自らの誕生、 ポーランド国王への即位、そして後のフランス国王への即位という、聖霊降臨祭 (サンテスプリの祝日) の日に起きた 3 つの出来事に因んで、サンテスプリ (聖霊) の名前をつけました。これはフランス君主制にとって、もっとも重要な聖職です。その隊員はカトリック 信者でなくてはならず、最低でも曽祖父まで遡って 35 年以上は先祖代々貴族階級で あったことを示す必要がありました。サンテスプリの騎士は全員、聖ミカエル騎士団の騎士にも叙され、« knights of the king’s orders »と呼ばれました。

サンテスプリクロス

サンテスプリクロスのモチーフ

サンテスプリを身に着けたルイ15世

ギャラリーにてノルマンディーのサンテスプリのペンダントを扱っております。どうぞご覧下さい。

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